結婚相談所でのお見合い成立率を大きく左右するのが「自己PR文」です。写真が“第一印象”なら、自己PR文は“人柄を伝える窓口”。
同じ条件でも、文章次第で「会ってみたい」と思われる確率は大きく変わります。ここでは、プロの目線から自己PR文を魅力的に仕上げるポイントを詳しく解説します。
1. 自己PR文の役割を理解する
- 条件を補う役割:年齢や年収といった「数字」では表せない“人柄”を伝える
- 生活をイメージさせる役割:「この人と一緒に暮らしたら安心できそう」と思わせる
- 会話のきっかけ作り:趣味や休日の過ごし方を具体的に書くと、お見合いで自然な話題になる
2. 良い自己PR文の基本構成
冒頭:人柄を一言で表現
- 「明るく前向きな性格です」よりも「周囲からは“穏やかで話しやすい”とよく言われます」と具体的に。
- 例:「休日は料理をして友人にふるまうのが楽しみです」
「結婚後は一緒に食卓を囲む時間を大切にしたい」と結婚観に自然につなげる
- 例:「お互いを尊重し、笑顔の絶えない家庭を築きたいと考えています」
【印象アップの具体的テクニック】
- ポジティブ表現に変換する
- NG:「恋愛経験は少ないですが…」
- OK:「一人ひとりを大切に向き合ってきましたので、結婚にもしっかり向き合いたいです」
- 数字や習慣を入れる
- 「旅行が好きです」より「年に2回は温泉旅行に行きます」の方が具体的で印象に残る
- 相手との将来像を描く
- 「休日は散歩やカフェ巡りをしているので、結婚後は一緒にのんびり楽しみたいです」
- 読みやすさを意識
- 長文を避け、3〜4文で改行を入れると印象が良い
よくある失敗例
- 条件の羅列:「年収◯万円、◯資格保有、趣味は◯◯」→履歴書のようで温かみがない
- 抽象的すぎる:「性格は優しいです」→具体性がなく印象に残らない
- ネガティブ表現:「人見知りですが…」「婚活が長引いて疲れています」→相手に不安を与える
- 改善前
「趣味は映画と旅行です。結婚後はお互いを支え合える家庭を築きたいと思います。」 - 改善後
「休日は映画館で話題作を観るのが楽しみで、旅行では美味しい食事や自然に触れることが好きです。結婚後は、一緒に新しい場所を訪れたり、家でゆっくり映画を観たりと、穏やかで楽しい時間を重ねていけたらと思います。」
「具体的な生活イメージ」+「結婚観」が伝わり、相手が将来を想像しやすい文章になる。
【書いた後に必ずチェックしたいポイント】
- 「自分と結婚したら、どんな生活が思い浮かぶか」が表れているか
- ネガティブな言葉や言い訳になっていないか
- 読んだ相手が“質問したくなる要素”が入っているか(趣味・習慣など)
目次
ポジティブ表現に変換する
自己PR文を書く際に最も大きな差が出るのは 「言葉の選び方」 です。
同じ内容でも、ネガティブに書けばマイナス印象を与え、ポジティブに言い換えれば「誠実で前向きな人」と伝わります。これは「自己PR文=第一印象の補足資料」であるため、とても重要なポイントです。
1. なぜポジティブ表現が大切か
- 読むのは「初対面の相手」だから
→ ネガティブな表現は、事実以上にマイナスイメージを与える。 - 婚活は「一緒に過ごしたいか」を判断する場
→ 明るさや安心感を感じさせる言葉の方が好印象を残す。 - 誠実さと前向きさを同時に伝えられる
→ コンプレックスや弱みも、言葉を選べば“魅力”に変わる。
2. ネガティブ → ポジティブ変換の基本ルール
- 弱みを「努力・経験」に変える
- 不足を「これからの伸びしろ」に変える
- 失敗を「学びや教訓」に変える
→ 「一人ひとりを大切に向き合ってきましたので、結婚にもしっかり誠実に向き合いたいです」
→ 「初対面では少し緊張しますが、慣れてくると安心していただける穏やかな性格だと言われます」
→ 「話を聞くことが得意で、相手の思いを大切にできるタイプです」
→ 「これまでの経験で自分に合う相手像がより明確になってきました」
→ 「落ち着いた雰囲気で、家庭的な時間を大切にしています」
【ポジティブ変換のコツ】
- “でも”を使わない
→ 「◯◯ですが…」と書くと相手にマイナス印象が残りやすい。
→ 代わりに「◯◯なので」「◯◯を大切にしているので」と理由づけで前向きに。 - 相手との未来に結びつける
→ 「〇〇だから、一緒に過ごすと□□な時間を築ける」という形にすると結婚観とつながる。 - 第三者の評価を取り入れる
→ 「友人からは“真面目で穏やか”と言われます」など、自分で言うより客観性が増す。
- 変換前
「私は恋愛経験が少なく、人見知りで口下手なところがあります。」 - 変換後
「私は初対面では少し緊張しますが、慣れると安心していただける穏やかな性格です。恋愛経験は多くありませんが、その分、一人ひとりを誠実に大切にしてきました。結婚後も相手を思いやり、温かい家庭を築いていきたいと考えています。」
同じ内容でも、「弱み」が「誠実さ・思いやり」という強みに変換されています。
数字や習慣を入れる
自己PR文を読む相手は、「この人と結婚したらどんな生活になるのか」を想像しながらチェックしています。
そのときに “数字や習慣が入っている文章” は、抽象的な自己紹介よりも具体的で信頼感を与えやすく、相手に日常をイメージさせやすいという大きな効果があります。
1. なぜ数字や習慣が効果的なのか
- 信頼感が増す
「旅行が好きです」より「年に2回は国内旅行に行っています」のほうがリアリティがある。 - 生活が想像しやすい
「休日は趣味に時間を使う」より「日曜日はランニングをしてリフレッシュしています」のほうが結婚後の姿をイメージできる。 - 会話のきっかけになる
相手から「どこに行くんですか?」「いつもどのくらい走っているんですか?」と質問されやすくなる。
2. 数字や習慣を盛り込むポイント
- 頻度を入れる
- 「料理が好き」 → 「週末は必ず自炊し、得意料理はパスタです」
- 「運動が好き」 → 「週3回はジムで汗を流しています」
- 期間を入れる
- 「ボランティア活動をしています」 → 「5年前から地域の清掃活動に参加しています」
- 「読書が好きです」 → 「月に2冊は小説を読むようにしています」
- 具体的な習慣を入れる
- 「旅行が趣味です」 → 「これまでに20県を訪れ、各地の温泉巡りを楽しんでいます」
- 「音楽が好きです」 → 「毎朝、出勤前にクラシックを聴いてリラックスしています」
「休日は料理や読書をして過ごしています。」
「休日は自炊することが多く、週末には新しいレシピに挑戦しています。読書は月に2冊ほどで、特に歴史小説が好きです。」
「習慣+数字」が入ることで、人物像が鮮明になり、会話の広がりも期待できる。
【注意点】
- 誇張しすぎない:「毎日必ず2時間ランニング」など現実味のない数字は逆効果
- ネガティブな習慣は避ける:「毎日深夜までゲーム」などは印象ダウンにつながる
- 相手が共感しやすいテーマを選ぶ:旅行、料理、運動、読書など“結婚後に一緒に楽しめる要素”が望ましい
【活用のステップ】
- 自分の日常習慣をリスト化(週・月単位でやっていること)
- その中から「結婚後に共有できそうなもの」を選ぶ
- 頻度・期間・具体的なエピソードを添えてPR文に組み込む
相手との将来像を描く
自己PR文の仕上げとして最も効果的なのが 「相手との将来像を描く」 ことです。
結婚相談所では「この人と結婚したらどんな生活が待っているか」を具体的にイメージさせることが、お見合い成立や交際継続につながります。
逆に、将来像が見えないプロフィールは「真剣度が低い」と誤解されることもあります。
1. なぜ将来像を描くことが大事なのか
- 安心感を与える
→ 結婚後の生活を考えていることが伝わり、誠実さが伝わる。 - 一緒に過ごすイメージを膨らませる
→ 「会ってみたい」という動機が生まれる。 - 他の会員との差別化
→ 条件や趣味は似通っていても、「結婚後のイメージ」が描かれていると印象に残りやすい。
2. 将来像を描くポイント
- 日常生活を具体的に書く
- 「休日に一緒に料理をして、出来上がったものを食べながらゆったり過ごしたいです」
- 「近所を散歩したり、カフェでのんびりおしゃべりできる関係を望んでいます」
- 家庭像を言葉にする
- 「お互いを尊重し、感謝の言葉を大切にできる家庭を築きたいです」
- 「笑顔が絶えず、帰ってきて安心できるような家にしたいです」
- 将来の方向性を自然に触れる
- 「子どもができたら、一緒に成長を見守りながら家族で支え合える関係を築きたいです」
- 「共働きであっても、協力し合いながら温かい家庭を作りたいと思っています」
「結婚後はお互いを支え合える家庭を築きたいです。」
「結婚後は、お互いに感謝を伝え合いながら、休日には一緒に買い物や料理を楽しみたいです。笑顔の絶えない温かい家庭を築いていけたらと思います。」
同じ「支え合う」という内容でも、日常の場面を描くことで具体性と親近感が増す。
【書くときの注意点】
- 重すぎないようにする
→ 初回から「絶対に子どもは2人欲しいです」など細かすぎる将来像はプレッシャーになる。 - 理想論に終わらせない
→ 「幸せな家庭を築きたい」だけでは抽象的。小さな日常を描写するのがコツ。 - 相手を限定しすぎない
→ 「相手には絶対に専業主婦でいてほしい」などは条件の押しつけに見えるため注意。
- 「料理や掃除などを協力し合い、気持ちよく暮らせる環境を作っていきたいです」
- 「休日は近場への小旅行や散歩を楽しみ、穏やかな時間を共有したいです」
- 「小さなことでも『ありがとう』を言い合える関係を築きたいです」
- 「笑顔で『おかえり』と言い合える、安心できる家庭を望んでいます」
読みやすさを意識
自己PR文は「どんな人柄か」を伝えるためのものですが、どれだけ良い内容でも読みにくければ印象は半減します。
結婚相談所でプロフィールを読む相手は、一度に複数人の文章を目にするため、「すっと読めてイメージが浮かぶ文章」が大きな武器になります。ここでは、読みやすさを高める具体的な工夫を解説します。
1. 長文を避け、段落で区切る
- 一文が長すぎると「結局何が言いたいのか」が伝わらなくなる。
- 目安は 1文50文字以内、全体で3〜5段落。
2. 改行でリズムをつける
- 文章がひと続きだと圧迫感があり、読む気をなくさせる。
- 3〜4文ごとに改行を入れると、内容ごとにまとまりが出て読みやすくなる。
3. 難しい言葉や専門用語を避ける
- 「誠実性を持ち合わせております」より「誠実であることを大切にしています」の方が伝わりやすい。
- 自分を良く見せようとして硬い表現を多用すると、距離感が生まれる。
4. 主語と述語をはっきりさせる
- 主語が抜けると「誰がどうするのか」が分かりにくくなる。
- 「趣味は料理、読書、旅行です」よりも「私は料理や読書、旅行が好きで、休日はよく時間を使っています」の方が自然。
5. 一文一メッセージを意識
- 1つの文に情報を詰め込みすぎない。
- 「休日は映画を観たり料理をしたり旅行に行ったりして忙しいです」
「休日は映画を観たり料理をするのが好きです。旅行にも年に数回行き、気分をリフレッシュしています」と分ける。
【読みやすさチェックリスト】
- □ 一文が長くなりすぎていないか
- □ 改行が適度に入っているか
- □ 専門用語や硬い表現を避けているか
- □ 主語と述語が対応しているか
- □ 読み手がスムーズに情景を思い描けるか
- 改善前
「私は休日に料理や映画や旅行などさまざまなことをして過ごしており相手と一緒にそういったことを楽しめる関係を築きたいと思っています。」 - 改善後
「休日は料理をしたり映画を観たりして過ごしています。旅行も好きで、年に数回は温泉地に行ってリフレッシュしています。結婚後は、そうした時間を一緒に楽しめる相手と出会えたら嬉しいです。」
改行と文の分割によって、すっきりと読みやすくなり、内容が頭に入りやすい。