結婚相談所での活動が進み、交際相手との関係が真剣交際から成婚へと近づいてくると、いよいよ「成婚退会」を意識する段階に入ります。
しかし、ここで迷ってしまう人も少なくありません。「本当にこの人でいいのか」「まだ決断するのは早いのでは」と思うのは自然なことです。
そんなときに役立つのが、成婚退会を判断するための基準です。ここでは、5つの視点から具体的に整理していきます。
1. 将来像を共有できているか
- 住む場所・働き方・家族計画
- 結婚生活における重要なテーマをすり合わせているかどうか。
- 例:「どこに住むか」「子どもは欲しいか」「共働きか専業か」。
- 生活リズムの相性
- 価値観だけでなく、平日の過ごし方や休日の過ごし方も含めて話し合えているかを確認。
2. 不安や違和感を話し合えるか
- 正直に話せる関係性
- 気になる点を言い出せずに我慢していると、結婚後に大きな問題に発展する。
- 違和感を共有できるか
- 「ここが少し気になる」と打ち明け、それを一緒に解決しようとできるかどうかが大切。
3. 金銭感覚・結婚後の生活設計が一致しているか
- お金の価値観のすり合わせ
- 貯金・生活費・趣味や交際費などの考え方が極端にずれていないか。
- 具体的な結婚生活の設計
- 家計管理をどうするか、住宅や車など大きな支出についてどう考えるか。
- 相手に依存しすぎていないか
- 経済面の負担を一方に押し付けていないかもチェックポイント。
4. 家族や友人との関係性はどうか
- 親への紹介がスムーズか
- 挨拶や顔合わせの場で極端な違和感がなかったか。
- 周囲からのフィードバック
- 信頼できる人の意見も参考にすることで、自分では気づけない相手の良さや注意点に気づける。
- 親族との関係性をどう考えるか
- 将来的に付き合いが発生する可能性も含め、無理なく関われるかを判断。
5. 一緒にいると安心できるか
- 心地よさの有無
- 理屈ではなく「一緒にいて落ち着くかどうか」は結婚生活で大切な基準。
- 支え合える関係か
- 自分が弱ったときに頼れるか、逆に相手が困ったときに支えたいと思えるか。
- 結婚生活のイメージが湧くか
- 「この人となら日常を共有できそう」と思えるかどうかを重視する。
将来像を共有できているか
結婚はゴールではなく、新しい生活のスタートです。そのため、どれだけ相手と気が合っていても、将来のイメージが一致していなければ結婚生活は不安定になりやすいものです。
成婚退会を判断するときに最も大切なのが「将来像を共有できているか」という視点です。ここでは、その具体的な確認ポイントを整理します。
1. 住む場所や生活の基盤について
- 居住地の希望
- 地元に住みたいのか、都市部で暮らしたいのか。
- 将来的に親の近くに住むかどうかも含めて話し合う必要がある。
- 住環境のイメージ
- 賃貸でスタートするのか、早めにマイホームを考えるのか。
- ライフスタイル(都会的・郊外・自然に囲まれた環境など)にも直結する。
2. 仕事やキャリアの考え方
- 共働きか専業か
- 相手が「結婚後も働きたいタイプ」か「家庭に入りたいタイプ」か。
- 転勤やキャリアプラン
- 仕事の事情で引っ越しや転勤がある場合、それを受け入れられるか。
- 家事や役割分担
- 共働きであれば、家事や育児をどう分担するかも重要なテーマ。
3. 子どもに関する価値観
- 子どもを望むかどうか
- 欲しいか欲しくないか、希望人数やタイミングなど。
- 育て方の考え方
- 教育方針や育児スタイルについても早い段階で方向性をすり合わせておくと安心。
4. 金銭感覚と生活設計
- 家計の管理方法
- 夫婦別財布なのか、共同財布にするのか。
- 貯蓄や投資の考え方
- 将来に備えてどれくらい貯めたいか、リスクを取るか堅実に守るか。
- 趣味や交際費への支出
- お金の使い方に大きな差があると結婚後に摩擦が生まれやすい。
5. ライフスタイル・価値観の細かい部分
- 休日の過ごし方
- アウトドア派かインドア派か、旅行好きか家でのんびり派か。
- 親や家族との関わり方
- 実家との距離感や帰省の頻度もすれ違いやすい部分。
- 老後のイメージ
- 長期的にどういう生活をしたいかまで考えられると理想的。
不安や違和感を話し合えるか
交際が順調に進んでいるように見えても、心の中には小さな不安や違和感が生じることがあります。
結婚は長い時間を共にする生活ですから、「少し気になること」を放置してしまうと後に大きな問題に発展しかねません。
成婚退会を迷うときには、その不安や違和感をお互いに率直に話し合える関係性が築けているかが大きな判断基準になります。
1. 不安を共有できる安心感があるか
- 「これを言ったら嫌われるかも」という恐れがなく、自分の本音を安心して伝えられるか。
- 例えば「もっと連絡が欲しい」「結婚後の家事分担が不安」といった小さなことでも言えるかどうか。
2. 違和感をそのままにしていないか
- 相手の言動に疑問や違和感を覚えたとき、我慢して黙っていないか。
- 気になる点を率直に伝えて、それに対して相手がどう応えてくれるかが関係の継続に大きく影響する。
3. 話し合いの姿勢を確認
- 傾聴の姿勢
- 相手が自分の気持ちを受け止めてくれるかどうか。
- 解決志向
- 不満を言い合うのではなく、「どうすれば改善できるか」という方向で話せるか。
4. 相性の良し悪しを測る指標になる
- 小さなすれ違いを乗り越えられるなら、結婚後の大きな壁にも対応できる。
- 逆に、違和感を伝えられなかったり、受け止めてもらえなかったりするなら、成婚退会を急ぐのは危険信号。
- 「最近、仕事が忙しいのは分かるけど、少しだけでも連絡をもらえると安心するな」
- 「家事はどう分担するのが良いと思う?」
- 「休日の過ごし方にギャップがある気がするけど、お互いにどう譲れるかな?」
このような会話が自然にできるかどうかが、成婚退会を決断する重要な判断材料となります。
金銭感覚・結婚後の生活設計が一致しているか
結婚生活で最も揉めやすいテーマの一つが「お金」に関する価値観の違いです。どんなに性格が合っていても、金銭感覚が極端に異なると結婚後の生活で大きな摩擦が生じます。
成婚退会を判断するときには、金銭感覚や結婚後の生活設計がすり合っているかどうかを冷静に確認することが欠かせません。
1. 家計管理の方法について
- 財布を一つにするか、別々に管理するか
- 共通の口座に収入をまとめる夫婦もいれば、生活費だけを出し合い、残りは個別管理にする夫婦もいる。
- 管理をどちらが担うか
- 片方がまとめて管理するのか、それとも役割分担をしてバランスをとるのか。
2. 収入と支出のバランス
- 収入に対する価値観
- 安定収入を重視するか、キャリアアップや独立を視野に入れるか。
- 支出に対する考え方
- 必要なものに集中するタイプか、趣味や交際費に積極的に使うタイプか。
- 浪費や倹約の度合い
- どちらかが極端に倹約志向、もう一方が浪費傾向だと衝突しやすい。
3. 貯蓄・投資・将来への備え
- 貯蓄に対する姿勢
- 「毎月必ず積み立てたい」と思うか、「余裕があるときだけでいい」と思うか。
- 投資に対する考え方
- 積極的にリスクを取るか、安全第一で貯蓄を優先するか。
- 老後資金の準備
- 長期的にどのように備えるかが一致しているか。
4. 結婚後の生活設計
- 住居の方針
- 賃貸で暮らすのか、住宅購入を視野に入れるのか。
- ライフイベントの優先順位
- 車や旅行など大きな出費をどのタイミングで行うか。
- 子育てにかかる費用
- 教育費や進学方針について、現実的に話し合えているか。
【すれ違いを防ぐための確認方法】
- 具体的な金額を話題にする
- 「毎月どのくらい貯めたいと思っている?」
- 「結婚後の家賃・生活費の理想はいくら?」
- 模擬的に生活費を計算してみる
- 交際中からざっくりとシミュレーションすると、価値観の差が見えやすい。
家族や友人との関係性はどうか
結婚は二人だけの問題ではなく、互いの家族や親しい人との関係も大きく影響します。
どれだけ二人が惹かれ合っていても、家族や友人との関係性が不自然にぎくしゃくしていると、結婚生活に不安要素を抱えやすくなります。
成婚退会を考えるときには、家族や友人との関係がスムーズかどうかを確認することも大切です。
1. 親への紹介がスムーズにできているか
- 拒絶感がないか
- 親への紹介を避けたがる場合は注意が必要。
- 挨拶の場での印象
- 緊張は当然ですが、誠実さや礼儀を持って接しているか。
- 親の反応
- 強い反対がある場合、将来的に家族関係が大きな壁になる可能性もある。
2. 周囲からのフィードバック
- 友人・兄弟姉妹の印象
- 信頼できる身近な人が「良い相手だね」と感じているかどうか。
- 客観的な評価
- 自分では見えにくい部分を、周囲が冷静に指摘してくれることがある。
- 違和感の共有
- もし「ちょっと心配」と言われたら、その理由をしっかり確認しておくのも大事。
3. 将来の親族関係をどう築けるか
- 実家との距離感
- 帰省の頻度や親との関わり方について、無理のない形で一致しているか。
- 介護や援助の問題
- 将来的に親の介護や経済的なサポートが必要になる場合、受け入れられるか。
- 冠婚葬祭や親戚付き合い
- 大切に考えるか、最低限にとどめたいかのスタンスを話し合っておくこと。
4. 友人関係のスタイル
- 交友関係の広さ
- 友人との付き合いを大事にするタイプか、家庭優先のタイプか。
- 休日の過ごし方
- 友人と会う頻度や時間が結婚後に負担にならないか。
- 異性の友人との関わり方
- 互いに納得できるルールが作れるか。
【チェックポイント】
- 「相手を親に紹介したいと思えるか」
- 「親や友人が相手を自然に受け入れてくれそうか」
- 「将来的に家族ぐるみの付き合いがイメージできるか」

一緒にいると安心できるか
結婚生活は長い年月を共に過ごすものです。そのため、恋愛のドキドキ感よりも、一緒にいて自然体で安心できるかどうかが結婚相手を選ぶ大きな基準となります。
見た目や条件が理想に合っていても、そばにいると緊張したり不安が残ったりする場合は注意が必要です。ここでは「安心感」という観点から成婚退会の判断材料を整理します。
1. 心地よい沈黙があるか
- 会話が途切れても気まずくならず、自然に一緒に過ごせるか。
- 話さなくても「同じ空間にいるだけで落ち着く」と思える関係性は、結婚生活で大きな安心につながる。
2. 自分らしくいられるか
- 無理に相手に合わせたり、背伸びをしたりせず、素の自分でいられるか。
- 些細な失敗や弱みを見せても受け入れてくれるかどうか。
3. 支え合える感覚があるか
- 自分が落ち込んだときに寄り添ってくれる存在か。
- 相手が困っているときに「助けてあげたい」と自然に思えるか。
- 双方が与える・受け取るバランスを心地よく感じられるか。
4. 将来を想像して安心できるか
- 一緒に暮らす日常のイメージが「楽しそう」「安心できそう」と思えるか。
- 老後の姿を想像したときにも「この人となら大丈夫」と思えるかどうか。
5. 不安が少ないか
- 相手の言動に振り回されていないか。
- 「連絡が来ないと不安」「機嫌を損ねるのが怖い」と感じる場合は、安心感が不足しているサイン。
