結婚相談所に期待を抱いて入会したものの、すぐに「やめたい」と思ってしまうことは珍しくありません。
理由は人それぞれで、「思っていた雰囲気と違った」「担当者との相性が合わない」「金額に見合う価値を感じられない」などさまざまです。
では、入会直後に活動を中止したい場合、ペナルティはあるのでしょうか?また、返金してもらえる可能性はあるのでしょうか?この記事では、実際の制度や各社の対応事例を踏まえて、わかりやすく解説します。
クーリングオフ制度について
まず最初に知っておくべきなのが、「クーリングオフ制度」です。これは、特定商取引法に基づき、結婚相談所にも適用される制度です。
クーリングオフの概要
- 契約日または契約書面を受け取った日から8日以内であれば、無条件で契約を解除可能
- 理由を問わず全額返金される
- 書面または記録が残る方法で通知する必要がある
適用条件
- 契約期間が2か月以上であること
- 支払額が5万円を超えていること
この制度は、活動を始める前に気持ちが変わった場合でも使えるため、まずは日数を確認してみることが大切です。
クーリングオフ期間を過ぎた場合の中途解約
クーリングオフの期間が過ぎてしまった場合でも、契約を解除することは可能です。ただし、この場合は「中途解約」として扱われ、返金やペナルティの有無は相談所ごとの規約によって異なります。
一般的な対応内容
- 登録料や初期費用の一部が返金されない場合がある
- 紹介やサービス提供が始まっていない場合は、多くの費用が返金されることもある
- 違約金がかかる場合でも、法律上3万円が上限
結婚相談所によっては、未利用分の月会費などを日割りで返金してくれるケースもあります。
- パートナーエージェント:2万円の違約金があるが、3か月以内なら返金保証制度あり
- エン婚活エージェント:出会いがなければ3か月分の月会費と登録料を返金
- オーネット:2か月以内なら初期費用の一部返金制度あり
- ノッツェ:未利用の月会費が日割りで返金される場合あり
入会前に、こうした解約規定も事前に確認しておくことが重要です。
【活動をやめたいと思ったときにやるべきこと】
「やめたい」と感じたら、以下の手順を踏むとスムーズです。
- 契約書と重要事項説明書を確認する
- クーリングオフの対象期間内かを確認する
- 期間内であれば、書面でクーリングオフの通知を送る
- 期間を過ぎている場合は、相談所に連絡し中途解約の条件を確認する
- 不当な扱いがあると感じた場合は、消費生活センターなどに相談する
契約の解除には冷静な対応が求められます。不安や疑問がある場合は、第三者の意見を聞くことも選択肢です。
目次
契約書と重要事項説明書を確認する
結婚相談所を「やめたい」と思ったとき、まず最初にしてほしいのが契約書と重要事項説明書を読み直すことです。
なぜなら、解約に関する条件や返金の可否、連絡先などはすべてその書類に記載されており、適切に行動するための根拠となるからです。
不安や後悔から焦って行動してしまう前に、まずは一呼吸置いて、契約時に交付された書類を手元に用意しましょう。
どの部分をチェックすれば良いのか?
確認すべきポイントは、以下の4点に分かれます。
1. クーリングオフの条件
- 「契約日」または「契約書面交付日」から8日以内か
- クーリングオフの適用が明記されているか
- 通知方法(書面、郵送、メール等)や送り先の情報
8日以内であれば、理由を問わず契約を解除でき、全額返金される可能性があります。
そのため、契約書に記された日付や説明の内容がとても重要です。
2. 中途解約(クーリングオフ期間を過ぎた場合)の対応
- 解約時に返金される費用の内訳
- 既に受けたサービスの料金は返金対象外か
- 違約金の金額や条件(3万円が上限)
「活動開始前」か「活動後」かで対応が異なるため、自分の状況と照らし合わせて確認することが必要です。
3. 支払い内容の明細
- 登録料、入会金、月会費などの内訳が明記されているか
- それぞれの費用がどのサービスに対する支払いか
この情報をもとに、返金される金額が妥当かどうかを判断できます。
4. 相談所独自の制度や特約
- 「返金保証制度」や「紹介がなかった場合の特例」などが記載されているか
- 保証の対象となる条件や期間
相談所によっては、法律とは別に独自の柔軟な対応を用意している場合があります。
【書類を紛失してしまったら?】
もし書類が見つからない場合でも、結婚相談所に連絡すれば再発行を依頼できます。
また、契約内容の説明が不十分だった場合や不備がある場合は、消費者保護の観点から再確認や再説明を求めることも可能です。
クーリングオフの対象期間内かを確認する
「もう少し冷静に考えてから入会すればよかった…」結婚相談所に入会した直後、そんなふうに思ってしまったときでも、まだ間に合う可能性があります。それがクーリングオフ制度の存在です。
クーリングオフとは、契約後に気が変わったとしても、一定期間内であれば無条件で契約を解除できる消費者保護制度です。特定商取引法に基づいており、結婚相談所もその対象となっています。
まずは、自分がこの制度の対象期間内にいるかどうかを正確に確認することが、損をしないための最優先事項です。
クーリングオフが適用される条件
クーリングオフ制度が適用されるには、以下の2つの条件を満たしている必要があります。
- 契約期間が2か月以上あること
- 契約金額(入会金や月会費など)が5万円を超えていること
ほとんどの結婚相談所はこの条件に該当するため、基本的にはクーリングオフが使えると考えて良いでしょう。
8日以内かどうかの確認がカギ
制度が使えるかどうかは、「8日以内」であるかが決定的に重要です。
ただし、「いつから8日以内なのか」がやや複雑なので、以下を確認してください。
- カウントの起点は、「契約書面を受け取った日」
- 口頭契約日ではなく、契約内容が書かれた書類(契約書・重要事項説明書)が手元に届いた日から数えます。
- 土日祝日も含めてカウントする
- 8日目が祝日であっても、期限は変わりません。
- 郵送の場合は、書類の「受領日」が基準
- 書類の発送日ではなく、自分が受け取った日です。
この8日間を過ぎると、クーリングオフはできなくなるため、書類の日付とカレンダーを照らし合わせて慎重に確認しましょう。
対象期間内だった場合の対応
もし、クーリングオフの対象期間内だった場合は、以下の手順で手続きを進めます。
- 書面または記録が残る方法で通知すること
- 例:内容証明郵便、特定記録郵便、メール(スクリーンショットなどで記録保存)
- 理由の記載は不要
- 「一身上の都合により解除します」といった簡単な一文でも有効
- 通知の控えは必ず保存する
- 万が一トラブルが発生した際の証拠になります
【対象期間を過ぎていた場合は?】
クーリングオフの対象期間を過ぎていたとしても、解約自体は可能です。この場合は「中途解約」となり、返金の可否や金額、違約金の発生などは契約内容によって異なります。
このようなケースについては、次のステップ「中途解約時の確認」に進みましょう。
書面でクーリングオフの通知を送る
「クーリングオフの対象期間内だった」と確認できたら、次にすべきことは正式な手段で通知を出すことです。
この段階での対応を誤ると、せっかくの制度が無効になる可能性もあるため、方法・形式・注意点をしっかり守って手続きすることが大切です。
なぜ「書面」で通知する必要があるのか?
クーリングオフは、法律で認められた制度ですが、「言った」「言わない」のトラブルを防ぐため、必ず証拠が残る形で通知することが求められています。
そのため、電話や口頭での申し出だけでは認められず、書面(または記録が残る方法)での通知が義務とされています。
具体的な通知方法
以下のいずれかの方法で通知するのが一般的かつ安全です。
1. 内容証明郵便(最も確実)
- 日本郵便で送付できる「法的証拠力のある郵便方法」
- 送った内容・日付・相手に届いた日付すべてが証明される
- クーリングオフの通知に最適
2. 特定記録郵便・簡易書留
- 「いつ差し出したか」の証明が可能
- 内容までは証明されないが、通知日を確認できる
3. メール・FAX(記録を保存できる場合)
- 相手側が受信した証拠(返信や既読、送信記録)が残れば有効とされるケースも
- ただし、トラブル防止のため郵送手段との併用がおすすめ
通知文は難しく考える必要はなく、形式的な要素を押さえていればシンプルでOKです。
【例文】
令和○年○月○日
株式会社〇〇〇〇 御中
契約者氏名:山田 太郎
住所:東京都〇〇区〇〇丁目〇番〇号
電話番号:090-1234-5678
私は、貴社との間で令和○年○月○日に締結した結婚相談所サービスの契約について、特定商取引法第9条に基づき、クーリングオフにより契約を解除いたします。
つきましては、契約解除に伴う返金手続きを速やかに行っていただきたく、お願い申し上げます。
以上
山田 太郎(署名
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【書面を送る前後の注意点】
- 控え(コピー)を必ず保管する
- 送付した証拠(郵便局の控え、追跡番号など)も保存
- 契約相手が法人であれば、必ず「会社名 + 担当部署 or 担当者名」宛に送付
【書面を出したあとは?】
書面が届いた後は、結婚相談所からの正式な返信や返金処理を待つことになります。
万が一、相手がクーリングオフを拒否したり、返金に応じないような場合は、消費生活センターや弁護士に相談することも視野に入れましょう。
相談所に連絡し中途解約の条件を確認する
クーリングオフの8日間を過ぎてしまった場合でも、「もう解約はできない」と諦める必要はありません。
結婚相談所では、中途解約という手段が用意されており、一定の条件を満たせば活動を停止し、費用の一部返金を受けられる可能性もあります。
この段階で重要なのは、自己判断で手続きを進めず、まずは必ず相談所に直接連絡を取り、正確な契約条件を確認することです。
なぜ「相談所への確認」が必要なのか?
中途解約は、法律で基本的なルールが定められている一方で、実際の運用は相談所ごとに異なります。そのため、以下のような点を正しく理解するには、契約先に直接確認することが最も確実な方法です。
確認すべきポイント
1. 解約方法と連絡手順
- 解約は電話・メール・専用フォームなど、どの方法で受け付けているか
- 担当者の名前や部署、対応時間
- 書面での手続きが必要かどうか
2. 返金の対象と範囲
- すでに受けたサービス分の費用は返金対象外になる場合がある
- 未利用の月会費や紹介料が返金される可能性もある
- 一括前払いの場合は、残期間分の返金計算方法を確認する
3. 違約金の有無とその上限
- 特定商取引法では、中途解約にともなう違約金は「最大3万円まで」と制限されている
- 相談所独自の規定で、違約金がかからないケースもある
- パートナーエージェント:月会費は日割り返金、違約金は2万円(返金保証制度あり)
- オーネット:契約初期段階であれば、活動前に中止しても一部返金対応あり
- ノッツェ:活動状況によっては、未使用分の返金や紹介停止も可能
契約の進行状況(プロフィール作成済みか、お見合いの実施があるか等)によって、返金額や手数料が変動する点に注意しましょう。
【実際の連絡時に伝えるべき内容】
スムーズな対応を受けるために、以下の内容を事前に整理してから連絡を取ると安心です。
- 自分の名前・会員番号(あれば)
- 入会日や契約日
- 解約を希望する理由(簡潔でOK)
- 現時点で受けたサービスの有無
- 返金や違約金に関する確認項目
【注意点とアドバイス】
- 感情的にならず、冷静に事実ベースで問い合わせる
- 書面でやり取りを残すため、メールや文書での確認を求めるのが望ましい
- トラブルを避けるため、やり取りは記録に残す(メール保存、録音など)
消費生活センターなどに相談する
結婚相談所との契約をやめたいと申し出た際、「解約はできない」「返金には応じられない」「高額な違約金が必要」などと一方的に言われた場合、それが本当に正当な対応なのかどうかを見極めることは非常に重要です。
もしも対応に疑問を感じた場合や、自分に不利な条件を一方的に押し付けられたときは、一人で抱え込まずに公的な相談窓口を利用しましょう。
消費生活センターとは?
消費生活センターは、国や自治体が運営する消費者トラブルの専門相談窓口です。
一般消費者が、企業との契約や取引で困ったときに、無料で相談できる機関です。
- 全国に拠点があり、誰でも相談可能
- 法律知識をもつ専門相談員が対応
- 必要に応じて、事業者との仲介やアドバイスを受けられる
どんなときに相談すべきか?
以下のようなケースに該当する場合は、すぐに相談することをおすすめします。
- クーリングオフの申請を拒否された
- 契約書に書かれていない高額な違約金を請求された
- 契約時に十分な説明がなかった(重要事項説明の省略など)
- 無理に入会を勧められた、脅迫まがいの勧誘を受けた
- 中途解約を申し出たら、無視されたり返金を拒否された
- 担当者とのやり取りにトラブルがあり、不安を感じている
これらは、いずれも法的に問題がある可能性のある対応です。
【相談の方法と流れ】
消費生活センターへの相談は、以下の方法で可能です。
1. 電話で相談する
- 「消費者ホットライン」188(いやや!)に電話する
→ お住まいの地域の消費生活センターにつながります。
2. インターネットから相談予約
- 国民生活センターや各自治体の公式サイトから予約可能
3. 相談の際に必要な情報
- 契約書や重要事項説明書のコピー
- 支払い証明書(領収書やクレジット明細など)
- 結婚相談所とのメールやLINE、通話記録
- いつ、何を、どのように言われたかのメモ
可能な限り客観的な記録を持って相談することが、スムーズな対応につながります。
その他の相談先
場合によっては、以下のような機関への相談も検討できます。
- 国民生活センター(専門的な案件を扱う)
- 法テラス(法律相談、必要に応じて弁護士紹介)
- 弁護士会の無料法律相談
消費生活センターで解決しない場合や、訴訟を視野に入れる場合はこれらの機関の力を借りるのが効果的です。

