ネット広告や説明会で「30日間全額返金保証」と聞くと、安心して入会できそうな印象を受けます。
しかし、この制度は結婚相談所業界ではまだ珍しく、実際には条件付きである場合がほとんどです。
ここでは、返金保証の実態と注意すべきポイントを整理します。
1. 返金保証が存在するケース
返金保証制度を設けている相談所は、大手よりも中小・個人運営型に多く見られます。
特にネット集客を重視している相談所では、安心材料としてこの制度を打ち出すことがあります。
代表的なパターン:
- 入会から30日以内の解約で入会金・活動サポート費を全額返金
- 初回お見合いが成立しなかった場合に返金
- 特定の条件を満たせば無条件返金
- 活動実績が一定基準を満たさなかった場合のみ(例:お見合い0件)
- 入会時に提出したプロフィールや写真に虚偽がない
- 担当者のアドバイスに沿って活動していた
- 途中退会や他サービス利用がない
- 返金対象は入会金・活動サポート費のみ(成婚料や紹介料は除外)
3. 特定商取引法との関係
結婚相談所は**特定商取引法(特商法)**の「特定継続的役務提供」に該当します。
このため法律上、契約から8日以内であれば「クーリングオフ」により無条件で全額返金が可能です。
30日返金保証は、これを超える期間について相談所が独自に設ける任意制度です。
4. 契約前に必ず確認すべきこと
- 保証の条件(無条件か、活動基準ありか)
- 返金の対象(入会金・活動費・成婚料のどこまでか)
- 返金申請の方法(書面・メール・面談など)
- 返金期限(入会日から30日以内か、活動開始日から30日以内か)
- 返金の時期(申請から何日以内に振込されるか)
【注意点】
- 「30日間返金保証」とあっても、初期費用の一部だけが対象の場合が多い
- 保証条件が厳しく、ほとんど適用されない制度もある
- 返金までに時間がかかる場合がある(1〜2か月後)
- 成婚料やお見合い料は保証対象外が一般的
【防止策】
- 契約前に保証条件を必ず書面でもらい、保管する
- 広告や説明会で聞いた内容と契約書の記載が一致しているか確認
- 「返金保証」を理由に安易に契約しない(条件次第では実質使えない場合がある)
目次
保証の条件(無条件か、活動基準ありか)
結婚相談所の「返金保証」や「全額保証」といった制度は魅力的に見えますが、その実態は大きく2種類に分かれます。
完全無条件型と活動基準付き型です。この違いを理解せずに契約すると、「保証があると思っていたのに適用されなかった」という事態になりかねません。
1. 無条件型保証
特徴
- 入会後、理由を問わず返金を受けられる
- 返金請求の際に活動状況や成果は問われない
メリット
- 条件が緩く、利用ハードルが低い
- 活動初期に「合わない」と感じた場合でも安心
デメリット
- このタイプは非常に珍しい
- 返金対象が「入会金の一部」に限られる場合が多い
- 高額な活動費や成婚料は対象外なことがほとんど
- 「契約日から30日以内は理由を問わず入会金を全額返金します」
- 「初回面談後にキャンセルする場合、全額返金」
2. 活動基準付き型保証
特徴
- 一定の活動条件を満たさないと返金対象にならない
- 条件は相談所ごとに異なり、細かく設定されている
よくある条件
- 担当者の指示通りに活動していたこと
- プロフィールや写真を規定通りに用意したこと
- お見合い申込みや承諾を一定回数以上行ったこと
- 入会後30日以内にお見合い成立がゼロだったこと
- 他サービスを併用していないこと
メリット
- 相談所としても条件をクリアした上で成果が出なければ返金するため、制度が維持しやすい
- 会員の活動モチベーションを保ちやすい
デメリット
- 条件が多く、適用されにくい
- 自分では条件を満たしているつもりでも、解釈の違いで対象外になることがある
3. 契約前に確認すべきこと
- 無条件型か活動基準付き型かを明確にする
- 活動基準がある場合、その詳細(回数・期限・方法)を具体的に聞く
- 返金対象の費用範囲(入会金のみか、活動費も含むか)
- 保証期間の起算日(契約日か活動開始日か)
- 申請方法と期限(書面・メール・面談など)
【注意点】
- 「全額返金」とあっても実際は入会金だけの場合が多い
- 条件が「当社の判断に基づく」など曖昧な文言の場合は要注意
- 活動証明として、お見合い申込みや交際履歴の記録を求められることがある
返金の対象(入会金・活動費・成婚料のどこまでか)
結婚相談所の返金保証や途中退会時の返金は、必ずしも支払った全額が戻るわけではありません。多くの場合、返金対象となるのは一部の費用に限られます。
契約前に「どの項目が返金対象で、どの項目は対象外か」を明確にしないと、思ったより戻らないケースがあります。
1. 入会金(初期登録料)
概要
会員登録やシステム初期設定にかかる費用。
相談所によっては「返金対象外」とされることが多い項目です。
返金対象になるケース
- クーリングオフ期間(契約日から8日以内)の解約
- 返金保証制度で明示的に入会金を含む場合
返金対象外になるケース
- 契約開始後すぐに登録作業が行われた場合
- 「登録料は役務提供開始後は返金不可」と契約書に明記されている場合
2. 活動費(活動サポート料・月会費)
概要
お見合い調整、プロフィール掲載、カウンセリングなどの活動サポートに使われる費用。
返金対象になるケース
- 前払い分の未提供期間分(特定商取引法に基づき日割りまたは月割りで返金)
- 保証制度で「活動費も含む」と明記されている場合
返金対象外になるケース
- 既に活動サポートを受けた分
- 月額制でその月分のサービスが既に提供済みの場合
3. 成婚料
概要
成婚が成立した際に支払う成果報酬。
返金対象になるケース
- 成婚退会後すぐに破局し、契約上返金規定がある場合
- 返金保証制度で成婚料も含むと明示されている(非常に珍しい)
返金対象外になるケース
- 契約上「成婚料は返金不可」と明記されている場合(これが大多数)
- 成婚退会後の破局が本人都合・双方合意の場合
4. 契約前に確認すべき質問
- 返金対象になる費用項目はどれか(入会金・活動費・成婚料)
- 活動費の返金は日割りか月割りか
- 成婚料返金制度があるか、ある場合の条件は何か
- 対象外費用がある場合、その理由と契約上の明記
【注意点】
- 「全額返金」と書かれていても入会金だけの場合がある
- 成婚料まで返金対象にしている相談所はほとんどない
- 途中退会時の返金額は、法律上の最低基準と相談所の規約で変わる
- クーリングオフ期間を過ぎると入会金はまず返らないケースが多い
返金申請の方法(書面・メール・面談など)
結婚相談所で返金を受けるためには、「どうやって申請するか」が明確でなければなりません。
\この申請方法が契約書に記載されていない、または説明が曖昧なまま契約すると、いざという時に「手続きができなかった」「期限を過ぎてしまった」というトラブルに発展することがあります。
返金保証や途中退会時の返金を確実に受けるためには、申請手順を事前に理解し、記録しておくことが重要です。
1. 主な返金申請の方法
① 書面申請(郵送)
- 特徴:正式な証拠として残る
- メリット:日付入りの書類が残るため、トラブル時に有利
- デメリット:郵送の手間と時間がかかる
- 注意点:配達証明付きや簡易書留を推奨
② メール申請
- 特徴:即時送信でき、データとして残る
- メリット:証拠保全しやすい(送信履歴・受信日時)
- デメリット:送信先メールアドレスの間違いに注意
- 注意点:必ず返信で受領確認をもらう
③ 面談申請
- 特徴:担当者と直接話しながら手続き可能
- メリット:条件や必要書類のその場確認ができる
- デメリット:口頭のやり取りだけだと証拠が残らない
- 注意点:面談後に書面やメールで申請内容を再確認する
2. 契約前に確認すべきポイント
- 申請方法が複数から選べるか、それとも指定方法のみか
- 郵送の場合の宛先と必要な記載内容(契約者名・会員番号・解約理由など)
- メール申請の場合の公式アドレスと返信確認の有無
- 面談申請の場合、申請日として扱われるのは面談日か書面提出日か
- 申請期限(契約日から◯日以内、活動開始日から◯日以内など)
3. 注意すべき落とし穴
- 「申請は書面のみ」という条件を見落とし、メールや電話で解約を申し出たが無効扱いされた
- 面談で解約意思を伝えたが、正式申請日として認められず返金期限を過ぎてしまった
- 郵送の場合、到着日ではなく発送日が基準かどうかの確認不足
【防止策】
- 契約書や重要事項説明書に申請方法と期限を明記してもらう
- 申請時は必ず日付入りで記録(郵便なら控え、メールなら送信履歴)を残す
- 面談申請の場合も、その場で書面を作成・控えを受け取る
- 可能であれば、書面とメールの両方で申請して二重証拠化
返金期限(入会日から30日以内か、活動開始日から30日以内か)
結婚相談所の「30日間返金保証」や「全額返金制度」には必ず期限が設定されています。
しかし、この起算日が「入会日」なのか「活動開始日」なのかによって、実際の返金対象期間は大きく変わります。
契約時にここを確認しないと、期限切れで返金が受けられないという事態になりかねません。
1. 起算日の2つのパターン
① 入会日(契約日)からカウント
- 概要:契約書に署名・捺印した日を1日目として計算
- 特徴:手続きが早ければ活動開始前に期限が切れる可能性あり
② 活動開始日からカウント
- 概要:プロフィール公開日やお見合いシステム登録日を1日目として計算
- 特徴:活動準備期間を含めないため、実質的に利用期間が長くなる
2. なぜ期限の起算日が重要なのか
- 写真撮影やプロフィール作成で活動開始が遅れると、入会日基準だと保証期間が短くなる
- 入会手続き後にやむを得ず準備期間が長引く場合でも、入会日基準だと返金対象外になる
- 相談所によっては「入会日基準」で計算していることを明確に説明しないケースもある
3. 契約前に確認すべき質問
- 保証期間の起算日は入会日か活動開始日か
- 活動開始が遅れた場合、期限延長はあるか
- 保証期間の最終日は何日目の何時までか(例:30日目の23:59まで)
- 曜日や祝日が期限日に当たる場合の取り扱い(翌営業日扱いか)
- 期限日までに申請が到着していればOKか、発送日で判断されるか
【注意点】
- 「30日間保証」と書かれていても実際は「契約日から30日以内」であり、活動開始前に終わる場合がある
- 起算日が曖昧な契約は後にトラブルになりやすい
- 期限ギリギリの申請は郵送遅延やメール不達で間に合わない可能性がある
【防止策】
- 契約書に「返金期限の起算日は○○」と明記してもらう
- 可能であれば「活動開始日から30日以内」基準を選ぶ
- 申請は期限の数日前までに行い、証拠を残す(郵便記録やメール履歴)
- 契約時に期限日をカレンダーに記録し、アラートを設定しておく
返金の時期(申請から何日以内に振込されるか)
結婚相談所で返金を受けられることが決まっても、実際にお金が振り込まれるまでの期間は相談所ごとに異なります。
契約前に返金時期を確認しておかないと、「返金が遅い」「なかなか入金されない」という不満やトラブルにつながります。
また、返金までのスピードは相談所の誠実さや事務処理能力の一つの目安にもなります。
1. 返金時期の一般的な目安
- 即日〜7日以内:対応が早い相談所。信頼感が高い。
- 10日〜30日以内:事務処理や決済会社経由での手続きが必要な場合。
- 1か月以上:契約や内部承認に時間がかかる。遅延の不安あり。
2. 返金時期が遅れる理由
- 返金申請の受理日からカウントする契約になっている
- 事務処理や承認フローが複雑
- クレジットカード決済の場合、カード会社の締め日・返金処理日によって1〜2か月後になることがある
- 提携金融機関の振込スケジュールの影響
3. 契約前に確認すべき質問
- 返金申請から何日以内に振込されるのか
- 銀行振込か現金か、またはクレジットカード経由か
- 振込日を明記した書面やメールをもらえるか
- 振込手数料は誰が負担するのか
- クレジット決済の場合、返金反映はいつになるのか(カード会社基準も確認)
【注意点】
- 「できるだけ早く返金します」という口頭説明は、実際は30日以上かかることもある
- クレジットカード払いは、現金返金ではなくカードへの返金処理となる場合が多い
- 振込手数料を差し引かれるケースもあるため、実際の受取額が減る可能性がある
【防止策】
- 契約書や重要事項説明書に**「返金は申請から◯日以内」**と明記してもらう
- クレジット払いの場合はカード会社の返金反映スケジュールも確認
- 期限を過ぎた場合の対応(遅延利息や催促方法)も事前に確認
- 返金予定日が決まったら、書面やメールで証拠を残す