「成婚」という言葉を聞いたとき、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?多くの方は「婚姻届を出して結婚した状態」を想像するかもしれません。
しかし、結婚相談所で使われる「成婚」は、必ずしも法的な結婚や婚約を意味するとは限りません。
本記事では、結婚相談所における“成婚”の本当の意味と、その定義の違いによる注意点について詳しく解説します。
結婚相談所での「成婚」とは?
「成婚」という言葉は、婚活において非常に重要なキーワードです。しかし、一般的な意味での「結婚」とはやや異なり、結婚相談所における「成婚」には特有の定義があります。
ここでは、結婚相談所における成婚の意味とその背景、注意点について詳しく解説します。
【結婚相談所における「成婚」の意味】
結婚相談所では「成婚=結婚が決まった状態」とされていますが、実際には以下のような状態を指します。
- 結婚の意思をお互いに確認し合い、活動を終了(退会)すること
- プロポーズを受けて了承した段階で退会を申し出ること
- 結婚前提の真剣交際を経て、他の紹介を止めた状態
つまり、法律的な結婚(婚姻届提出)や、指輪を交換しての正式な婚約よりもやや手前の段階である場合が多いのが現実です。
【成婚退会のタイミングとは?】
結婚相談所によって、成婚退会のタイミングには以下のようなバリエーションがあります。
- プロポーズの了承をもって成婚とする
- 真剣交際に入った時点で成婚とする
- 両家顔合わせや入籍準備に進む段階で成婚とする
このように、相談所の方針によりタイミングが異なるため、入会前に必ず確認しておく必要があります。
【成婚料との関係】
多くの結婚相談所では、「成婚料」という費用が発生します。
- 一般的には成婚退会時に10万〜20万円程度の成婚料が設定されている
- 成婚の定義が曖昧なままだと、「まだ正式に結婚の話もしていないのに成婚料を請求された」といったトラブルの原因にもなる
そのため、「成婚=どのタイミングなのか」を正確に理解することが大切です。
【成婚後のフォロー体制も確認を】
一部の結婚相談所では、成婚退会後も以下のようなサポートが提供されることがあります。
- 両親への挨拶のアドバイス
- 結婚準備に関する相談
- 式場・指輪などの提携サービス紹介
成婚=ゴールではなく、「スタートライン」と捉える相談所もありますので、その後の支援内容も事前にチェックしておくと安心です。
成婚の定義が異なる3つのタイプ
「成婚」と一言で言っても、結婚相談所ごとにその定義は異なります。入会する側がこの違いを理解していないと、「思っていたのと違う」「成婚料が発生して驚いた」といったトラブルの原因になりかねません。
ここでは、結婚相談所における成婚の定義を3つの代表的なタイプに分類して、それぞれの特徴と注意点を解説します。
タイプ1:婚約=成婚とするタイプ
特徴
- プロポーズを経て、相手が了承し、婚約関係が成立した段階で成婚退会となる
- 多くの場合、両家の顔合わせや将来の話し合いまで済んでいる
メリット
- 相談所を通してしっかりと段階を踏んでからの退会なので、安心感がある
- 成婚後のトラブルが少ない傾向
デメリット
- 成婚までのハードルがやや高く、期間が長くなる可能性がある
- プロポーズまで至らなければ退会できないというプレッシャーがある
タイプ2:結婚意思の共有=成婚とするタイプ
特徴
- 明確なプロポーズや婚約がなくても、「この人と結婚したい」という意思をお互いに確認すれば成婚扱い
- 相談所にその意思を伝えた時点で成婚退会可能
メリット
- 柔軟に活動を終えられ、早めに結婚準備に入れる
- 結婚への意欲があれば、形式にとらわれずに退会できる
デメリット
- 婚約や入籍の確約がないため、成婚後に破局するリスクもある
- 成婚料が発生しても、将来的に結婚に至らない可能性がある
タイプ3:真剣交際入り=成婚とするタイプ
特徴
- 交際相手を1人に絞り、「真剣交際に入る」段階で成婚退会となる
- 相談所によってはこの時点で「成婚料」が発生することもある
メリット
- 早い段階で他の紹介が止まり、関係に集中できる
- 真剣交際を重視するスタイルには適している
デメリット
- 成婚退会=結婚の約束ではないため、交際終了で無駄になるケースも
- 成婚料支払いのタイミングが早すぎると感じる人もいる
【比較のポイント】
成婚定義タイプ | タイミング | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|---|
婚約タイプ | プロポーズ成功・婚約成立 | 信頼性高く、トラブルが少ない | 成婚まで時間がかかる |
結婚意思タイプ | 結婚への意志を確認し合う | 柔軟性があり、活動終了がスムーズ | 成婚後の破局リスクあり |
真剣交際タイプ | 真剣交際の開始時点 | 早期に関係を深められる | 結婚確約ではない |
なぜ定義の違いが重要なのか
「結婚相談所で成婚率90%と聞いて安心したけれど、実際はプロポーズ前の段階だった」。そんな経験談も珍しくありません。
結婚相談所における“成婚”の定義は一律ではなく、相談所ごとに異なるため、内容をきちんと把握していないと費用の誤算や活動のズレが生まれるリスクがあります。
ここでは、成婚の定義の違いがなぜ重要なのかを、具体的な理由とともに解説します。
1. 成婚料の支払いタイミングが変わる
・成婚料は「成婚退会時」に発生するのが一般的
- 成婚の定義が「真剣交際入り」の相談所では、交際初期でも成婚料が請求される可能性あり
- 一方、「婚約成立」が成婚定義の相談所では、より慎重に支払いが発生
※定義を確認しないと、「思ったより早く成婚料がかかる」「まだ結婚も決まっていないのに費用が必要」という混乱の元になります
2. 成婚率の比較が正確にできなくなる
・相談所によって「成婚」の判断基準が違うため
- 真剣交際開始を成婚とする相談所では成婚率が高く出やすい
- 婚約やプロポーズ成立を成婚とする相談所では、数字が厳しめに出る傾向
※同じ「成婚率●%」でも、定義が違えば単純に比較しても意味がなく、誤解につながる可能性があります
3. 活動のゴールがブレてしまう
・「どこで婚活が終わるか」という着地点が明確でないと不安が生じる
- 自分が「プロポーズをもって成婚」と考えていても、相談所側は「交際意思確認」で成婚退会を促すかもしれない
- その結果、成婚退会後に関係が破綻し、「お金も時間も無駄になった」と感じるリスクも
4. 成婚後のサポート内容にも影響する
・成婚定義が厳密な相談所ほど、成婚後のフォローが手厚い傾向
- 両家挨拶、入籍準備、式場紹介などの支援がある相談所は、「成婚=婚約以上」の定義を採用していることが多い
- 一方で、交際初期で成婚扱いとするところは、成婚後のトラブルへの関与を避ける傾向にある
確認すべきポイント
結婚相談所を選ぶ際に、成婚率や料金ばかりに注目していませんか?見落としがちですが、最も重要なのは「その相談所が“成婚”をどのように定義しているか」です。
定義によって、退会タイミング・費用・サポート内容が大きく変わってきます。後悔しないためにも、入会前に以下の点をしっかりと確認しておきましょう。
【確認すべき5つのポイント】
1. 成婚の定義は何か?
- どの時点を「成婚」としているのか?
真剣交際に入った時点
結婚の意思確認が取れた時点
プロポーズが成立した時点 - 成婚退会の具体的な条件は何かを確認
「交際に入った段階で成婚扱いになります」と言われた場合、慎重に検討すべきです
2. 成婚料が発生するタイミングと金額
- 成婚料はいつ、いくらかかるのか?
成婚定義と連動しているので要注意 - 途中解約・返金の取り扱いはあるのか?
成婚料が10万円以上する相談所もあるため、事前に納得しておくことが必要です
3. 成婚後のサポート内容
- 成婚退会後にサポートは継続されるか?
両家挨拶・結婚準備・ライフプラン相談など - 成婚後に問題があった際、再度相談できるか?
「成婚=ゴール」ではなく、「成婚=スタート」の意識で対応してくれるかが重要
4. 成婚率の算出方法
- 成婚率は何を基準に出されているのか?
会員全体に対する成婚者の割合?
退会者のうちの成婚者の割合?
成婚率90%などの数字は、定義や計算方法によって大きく印象が変わります
5. 他の会員との関係終了手続きの流れ
- 真剣交際や成婚退会の際、他の紹介をどう扱うか?
紹介停止のタイミング、断りの手続きは誰が行うか?
カウンセラーが仲介してくれるか、自分で連絡する必要があるか?
スムーズな活動終了には、成婚退会前後のケアも大切です