結婚相談所に入会する際、多くの人が不安に感じるのが「高額な費用を支払ってしまったけれど、本当に大丈夫なのか?」という点です。
実は結婚相談所の契約も法律で守られており、一定の条件を満たせばクーリングオフ制度を利用して契約を解除できます。ここでは、制度の内容や注意点を分かりやすく解説します。
1. クーリングオフ制度とは?
- 消費者が契約をしたあとでも、一定期間内であれば無条件・無償で契約を解除できる制度
- 結婚相談所は「特定継続的役務提供」に該当し、特定商取引法でクーリングオフの対象とされています
2. 結婚相談所におけるクーリングオフの適用条件
- 期間:契約書面を受け取った日から8日以内
- 内容:理由を問わず、一方的に契約解除が可能
- 費用:すでに支払った入会金や活動費などは、全額返金される
- 通知方法:ハガキや書面で「契約を解除する旨」を記載し、発信した日付で有効
3. クーリングオフの手続き方法
- 契約日を確認(書面を受け取った日からカウント開始)
- 解除通知を作成(「契約を解除します」とシンプルに記載すればOK)
- 郵便局から内容証明郵便で送付すると安心
- 相手方が受け取らなくても、送った日付で解除が有効になる
4. クーリングオフできないケース
- 契約から8日を過ぎている場合
- 自主的にサービスを利用し続けた場合
- クーリングオフの対象外として明確に法律で除外される特例(結婚相談所では基本的に適用されるが、個別契約に注意が必要)
【クーリングオフ以降の中途解約制度】
- 8日を過ぎても、中途解約制度により契約解除が可能
- この場合は、法律で定められた「違約金(最大でも2万円または未利用残額の20%)」を支払えば解約できる
- 不当に高額な解約料を請求された場合は、消費生活センターなどに相談可能
【安心して契約するためのポイント】
- 契約前に必ず「特定商取引法に基づく表記」「解約規定」を確認する
- 契約書面を受け取った日をメモしておく
- 契約直後に「やっぱり合わない」と思ったら、迷わずクーリングオフを利用する
- 不安な場合は、消費生活センターや弁護士への相談も検討する
目次
「特定商取引法に基づく表記」「解約規定」を確認する
結婚相談所で安心して契約するために最も重要なのは、契約書面に記載されている法的な情報と解約ルールを事前に確認することです。
料金やサービス内容に目が行きがちですが、実際にトラブルになるのは「思っていた条件と違った」「解約料が高額だった」というケース。
これを避けるためには、特定商取引法に基づく表記と解約規定を必ずチェックしておく必要があります。
1. 特定商取引法に基づく表記とは?
結婚相談所は「特定継続的役務提供」に分類されるため、法律で次の情報を明示する義務があります。
- 事業者の名称・所在地・電話番号
- 役務の内容(提供するサービスの具体的説明)
- 契約期間・利用料金・支払い方法
- 中途解約・クーリングオフに関する条件と手続き
- 返金方法や違約金の上限
- 会社の所在地や連絡先が明確に記載されているか
- 契約期間が不自然に長すぎないか
- 返金・解約の条件が法律に沿っているか
2. 解約規定の確認ポイント
クーリングオフ期間(8日以内)は法律で守られていますが、それを過ぎた後の「中途解約」のルールは特に重要です。
- 違約金の金額
- 法律上の上限 → 2万円または未利用残額の20%のどちらか低い方
- これを超える請求がある場合は要注意
- 返金ルール
- 支払い済みの活動費や成婚料の扱い
- 返金対象になるもの/ならないものを確認
- 解約手続きの方法
- 書面での通知が必要か、メールで可能か
- 返金までにかかる日数が明記されているか
こうしたトラブルは、事前に契約内容を細かく確認しておけば回避できるケースが多いです。
【契約前にやっておくべきこと】
- 契約書を受け取ったら、その場でサインせず持ち帰って確認する
- 不明点は必ず質問して、曖昧なまま契約しない
- 解約条件や返金のルールを理解した上で「納得できるか」を基準に判断する
- 契約書のコピーや交付資料は必ず保管しておく
契約書面を受け取った日をメモしておく
結婚相談所と契約するとき、意外と見落としがちなのが「契約書を受け取った日付」の管理です。
クーリングオフ制度や中途解約のルールを適用する際、この日付が基準となるため、契約書を受け取った日を明確に記録しておくことは、安心して活動を始めるための重要なポイントです。
1. なぜ日付の記録が重要なのか
- クーリングオフの起算日になる
→ 契約書を受け取った日から8日以内なら、理由を問わず無条件で解約可能。 - 中途解約の計算基準になる
→ 契約からの経過日数に応じて返金額や違約金が算出される。 - トラブル防止になる
→ 事業者と「書面を受け取った日」の認識がズレたとき、証拠として主張できる。
2. 記録の具体的な方法
- 契約書を受け取ったら、その場で日付をメモする
- 自分のスケジュール帳やカレンダーアプリに**「契約書受領日」**と記録しておく
- 契約書のコピーや領収書と一緒に保管し、すぐ確認できる状態にしておく
【安心のための工夫】
- 契約書面に自分で受領日を記入して署名しておく
- 不安なら、受領時に「今日が起算日で間違いないですね」と確認する
- メールで受け取った場合は、受信日をプリントアウトして保存する
迷わずクーリングオフを利用する
結婚相談所に入会したあと、「思っていたサービスと違う」「担当カウンセラーとの相性が合わない」「費用が想定以上に負担だった」など、直後に不安や後悔を感じることは珍しくありません。
そんなときに消費者を守る仕組みがクーリングオフ制度です。法律で保証された権利なので、違和感を覚えたらためらわずに利用することが、安心して婚活を進める第一歩となります。
1. クーリングオフが利用できる条件
- 期間:契約書を受け取った日を含めて8日以内
- 理由:どんな理由でもOK(「気が変わった」「不安になった」でも問題なし)
- 費用:すでに支払った入会金や登録料は、全額返金される
- 通知方法:書面や内容証明郵便で「契約を解除します」と伝えるだけで有効
2. 迷わず使うべき理由
- 時間が経つほど解約が難しくなる
→ 8日を過ぎると「中途解約」になり、違約金が発生する可能性あり - 心理的なストレスを早めに解消できる
→ 「続けるべきか迷う」状態が長引くと、婚活へのモチベーションが下がる - 無理に続けても成果につながらない
→ 担当者や雰囲気に違和感を持ったままでは、前向きな活動は難しい
3. クーリングオフの手順
- 契約日・契約書受領日を確認
- クーリングオフ通知文を作成
- 「〇年〇月〇日契約の結婚相談所サービスについて、クーリングオフにより契約を解除します」
- 郵便局から内容証明郵便で送付(控えを保管)
- 発信した日付で効力が発生するため、業者が拒否しても有効
【よくある誤解と注意点】
- 「一度使ったら印象が悪くなるのでは?」 → 法律で認められた権利なので問題なし
- 「口頭で伝えればよいのでは?」 → 口頭のみでは証拠が残らないため、必ず書面で
- 「サービスを少し使ってしまったから無理では?」 → 8日以内なら利用有無に関係なく解約可能
不安な場合は、消費生活センターや弁護士への相談も検討する
結婚相談所の契約に関して「解約したいけど本当にできるのか不安」「高額な違約金を請求された」「制度の仕組みが分からない」といった不安を感じた場合、専門機関に相談することが安心につながります。
特に、消費生活センターや弁護士は、消費者トラブルに詳しい第三者として力になってくれます。
1. 消費生活センターに相談するメリット
- 全国に窓口があり、無料で利用可能
- 契約書や状況をもとに「クーリングオフが可能か」「中途解約に違法性がないか」をアドバイスしてもらえる
- 必要に応じて業者に連絡し、是正を求めてくれるケースもある
- 電話相談「188(いやや!)」で、最寄りのセンターにつながる
2. 弁護士に相談するメリット
- 法的に有効な対応をアドバイスしてもらえる
- 不当な違約金請求や返金拒否に対し、法的措置をとる選択肢もある
- 契約内容や業者の対応に問題がある場合、交渉や訴訟も視野に入れられる
- 法テラスを利用すれば、収入に応じて無料相談や費用立替制度も使える
【相談すべきタイミング】
- 契約後すぐに「本当にこれで良いのか不安」と思ったとき
- クーリングオフを申し出たのに「受けられない」と拒否されたとき
- 中途解約時に法定上限を超える高額な違約金を提示されたとき
- 返金されるべき費用が戻らないとき
【相談前に準備しておくと良いもの】
- 契約書・重要事項説明書
- 支払いの領収書や振込記録
- 相談所とのやり取り(メール・LINE・録音など)
- 自分の希望や不安をメモに整理したもの