原則として、いつでも退会は可能
結婚相談所の契約は、消費者契約法や特定商取引法に基づいています。そのため、契約期間内であっても「途中で辞めたい」と希望すれば、基本的にはいつでも退会が可能です。
ただし、時期やプランによっては返金がない/違約金が発生することもあるため、事前確認が極めて重要です。
途中退会に関する一般的なルール
● クーリングオフ制度(契約から8日以内)
- 契約書を受け取ってから8日以内であれば、理由を問わず全額返金での契約解除が可能
- 電話または書面で申し出ることで成立
● 中途解約(契約から9日以降)
- 活動を始めた後でも退会は可能だが、返金対応の有無は契約内容次第
- すでに発生した費用(入会金・活動サポート費など)は原則として返金対象外
- 利用していない分の月会費・紹介料などは一部返金されるケースもある
返金対応の基本的な考え方
返金の有無は、主に以下の3区分で扱われます。
費用区分 | 返金の可能性 | 備考 |
---|---|---|
入会金・登録料 | 原則返金不可 | 初期事務手数料として処理される |
月会費 | 一部返金あり | 日割りや月単位で精算される場合がある |
成婚料 | 未発生なら支払不要 | 成婚していなければ不要。発生後は返金なし |
詳細は各相談所の契約約款による
違約金・解約手数料は発生する?
原則として「違約金」という名目では請求されませんが、中途解約手数料として費用がかかる場合があります。
● 中途解約にかかる上限(法律上のルール)
特定商取引法により、結婚相談所の中途解約手数料は以下のいずれか低い方が上限です。
- 提供済みサービスの対価+2万円
- 契約残額の20%
つまり、法外な違約金は認められていません。不安な場合は、「特定商取引法」「中途解約 条文」などで事前に根拠を確認すると安心です。
事前に確認しておくべきポイント。
- 途中退会の条件
- 返金のルール
- 解約手数料の有無と金額
- 成婚料の発生タイミング
【注意:相談所によって対応が異なる】
- 全国展開の大手は制度が明文化されており比較的安心
- 地域密着型や個人経営の相談所は運営者の裁量が大きく、対応が柔軟な場合もあるが、逆に不明瞭な点も多い
- トラブル回避のため、契約書・利用規約は必ず保管し、内容を読み込んでから署名することが基本
途中退会の条件
結婚相談所はサービス契約であり、一般的なサブスクリプションや通販とは異なる特別なルールが適用されます。
原則として途中退会は可能ですが、その際に気をつけるべき「条件」がいくつかあります。
途中退会の基本前提
● 入会からいつでも退会は可能
- 契約期間中であっても、理由を問わず退会できる権利が利用者にあります(消費者契約法・特定商取引法による保護)
● ただし「費用負担」「手続き方法」「退会日」は相談所ごとに異なる
- 実際の解約処理にはルールがあるため、事前確認が必要です
途中退会の主な条件と確認ポイント
1. 【手続きの方法】
- 書面(退会届)提出が必要な場合が多い
- 相談所によっては電話・メール・マイページ上での手続きも可能
- 対面カウンセリングで意思確認が求められることも
「退会希望の〇日前までに文書で提出してください」などの条件付き
2. 【退会が有効になるタイミング】
- 申請当日から有効になるケースと、月末まで活動可能→翌月退会扱いになるケースがある
- 月会費は「退会申請日で日割り精算」か「当月分満額請求」か、相談所によって対応が分かれる
- 6月15日に退会申請 → 日割精算で6月分の一部返金
- または → 6月30日まで活動OK、7月から退会扱い(返金なし)
3. 【途中解約に伴う費用の支払い条件】
- 一部の相談所では「解約事務手数料(中途解約手数料)」が発生することがある
- 特定商取引法により、上限が「未提供サービス分の料金+2万円」または「残契約金額の20%」と決まっている
残りのサービス代が5万円なら、手数料は最大でも1万円(20%)まで
4. 【返金対象になるかどうか】
- 入会金や初期費用は返金されないことが多い(登録・事務費として処理)
- 月会費・紹介料・サポート費用などは「未提供分」に対して一部返金ありのケースがある
月途中の退会で返金があるか、事前に「日割か満額か」確認が必須
5. 【成婚料発生前の退会かどうか】
- 真剣交際中・成婚成立間近のタイミングでは、「成婚料が発生する前に退会して逃げる」ことを避けるため、相談所が確認を入れる場合もある
- 交際相手との状況次第で成婚扱いとして料金請求されるケースもあるため注意
途中退会時に確認しておくべき質問例(面談や電話時)
- 退会するにはどういった手続きが必要ですか?
- 退会日は「申請日から」か「月末扱い」か?
- 月会費は日割り精算になりますか?
- 中途解約手数料は発生しますか?いくらですか?
- 入会金・登録料の返金はありますか?
- 成婚料はどの段階で発生しますか?交際中に退会した場合はどうなりますか?
【注意点:トラブルを避けるために】
- 契約書は必ず原本を保管し、内容を理解した上で署名する
- 曖昧な説明や口頭約束は文書・メールで記録を残す
- 不当な条件を提示された場合は、特定商取引法に基づく消費生活センターへの相談も可能
返金のルール
結婚相談所は「役務提供型サービス」に分類されるため、消費者契約法や特定商取引法が適用されます。
この法律に基づき、一定の条件下では返金が義務付けられている部分もありますが、実際の返金額は契約内容や活動状況によって異なります。
【返金対応の全体像】
費用ごとに「返金される可能性があるか」を整理すると、以下のようになります。
費用項目 | 返金対応の目安 | 備考 |
---|---|---|
入会金(初期登録料) | 原則返金なし | 登録・事務処理費として扱われる |
活動サポート費 | 一部返金あり | 未使用分に限り。使用済み分は対象外 |
月会費 | 日割・月割で返金可 | 退会日による。月末扱いになることも |
お見合い料・紹介料 | 実施前なら返金可能 | お見合い実施後は返金対象外 |
成婚料 | 原則支払い後は返金不可 | 成婚退会しなければ請求されない |
返金が認められる具体的なケース
● クーリングオフ(契約から8日以内)
- 契約書を受け取った日から8日以内なら、全額返金+違約金なしで解約可能
- 書面または電子メールで通知を出すだけで法的に有効
- 理由不要。相談所側は引き留め不可
● 中途解約(8日以降の解約)
- 途中退会でも返金されるケースはあるが、「未提供サービス」に限られる
- 特定商取引法に基づき、事務手数料(上限あり)を差し引いた金額が返金される
【法律で定められた中途解約の返金ルール】
◆ 消費者側に返金される金額の上限式
解約時点で未提供分のサービス料金 - 解約手数料(最大でも2万円 or 残額の20%の低い方)
この規定により、高額な違約金や不当な手数料は請求できません。
ただし「提供済みサービス」については返金対象外です。
実際の返金対応例(ケーススタディ)
【例1】月の途中で退会する場合
- 月会費1万5千円、6月10日に退会
日割りで5千円返金されるケース、または6月分まるごと請求されるケース(契約条件次第)
【例2】活動サポート費3万円を支払い、1ヶ月後に退会
- 実質的にカウンセリングも紹介も受けていなければ、全額 or 一部返金の交渉余地あり
【例3】紹介のみ受けて交際には至らず退会
- 紹介が「サービス提供済み」に該当する場合、返金対象にならないこともある
返金を受けるために事前確認すべきこと
● 契約前に以下を必ず質問・確認:
- 月会費の返金は日割か月割か?
- 活動サポート費や登録料はどのタイミングで提供済とみなされるか?
- 中途解約手数料の算出方法と上限金額
- クーリングオフの起算日はいつか?(契約書面の受領日)
● 契約書のどこを見ればいい?
- 「中途解約に関する条項」
- 「返金・精算に関する条項」
- 「役務提供の定義」や「提供済みとみなす条件」
【注意:返金トラブルを避けるために】
- 口頭説明ではなく書面での確認が原則
- 「使っていないから返して」は通用しない場合もある(契約書が優先される)
- 不当な扱いを受けた場合は、消費生活センターや国民生活センターに相談
解約手数料の有無と金額
結婚相談所を契約期間の途中で退会する際、相談所によっては「解約手数料(=中途解約に伴う事務手数料)」が発生する場合があります。
これはサービス未提供分の返金額から差し引かれる費用で、請求が違法になることはありませんが、上限が法律で明確に定められています。
解約手数料に関わる法律的な位置づけ
結婚相談所は「特定継続的役務提供」に分類され、特定商取引法(第49条)に基づいて、解約の際のルールが規定されています。
● 法律で認められる「中途解約手数料」の上限:
解約時に請求できる手数料は、以下のいずれか低い金額まで
- 提供済みサービス分の対価 + 2万円まで
- 残存契約額の 20%まで
つまり、どんなに高額な契約でも、解約時の負担は最大で2万円(または20%)までに抑えられるよう法的に保護されています。
【具体例】返金と解約手数料の計算パターン
◆ 例1:活動サポート費5万円のうち2万円分が未提供だった場合
- 解約手数料上限:2万円 or 2万円の20%(=4,000円) → より小さい4,000円が上限
- ⇒ 未提供分の2万円から4,000円が差し引かれ、1万6,000円が返金される
◆ 例2:月会費1万円×残り3ヶ月=3万円の未提供分がある場合
- 解約手数料上限:2万円 or 3万円の20%(=6,000円) → 6,000円が手数料上限
- ⇒ 返金額は3万円 − 6,000円 = 2万4,000円
解約手数料が発生しやすいパターン
- 入会直後で実質的にサービス未使用の場合でも、「初期費用返金なし+中途解約手数料」を請求されるケースがある
- 活動開始から1〜2ヶ月で退会する場合は、サポート費や月会費の未提供分から手数料が引かれることが多い
- 明確な料金区分がなく「一括前払い型」の場合は、残額から手数料を引いた差額返金になる傾向が強い
解約手数料の有無・金額を事前確認すべきポイント
● 1. 契約書の中に「中途解約」「退会」「返金」に関する記述があるか
- 「途中解約時には◯◯円の事務手数料を差し引いて精算します」などの条項があるか確認
● 2. 「日割り精算」「月割り」「一律徴収」などの表記
- 特に月会費やサポート費に関して「返金の方法」が書かれているかが重要
● 3. 「契約残額の20%」に関する記載
- 法的上限を超える手数料を請求しないと明記されているか
● 4. 担当者に以下のように具体的に聞く
- 「仮に2ヶ月で退会する場合、解約手数料は発生しますか?」
- 「どの費用が返金対象で、どこから手数料が差し引かれますか?」
【注意点:違法な請求に注意】
以下のような対応をされた場合は、消費生活センターなどに相談が可能です。
- 5万円、10万円といった高額な手数料を一方的に請求された
- そもそも返金に一切応じないと主張された
- 解約時の精算方法について明示されていなかった
成婚料の発生タイミング
成婚料(せいこんりょう)とは、結婚相談所を通じて「成婚」が成立した際に支払う成功報酬型の費用です。
入会時には発生せず、一定の条件を満たしたタイミングで一度だけ請求されるのが一般的です。
成婚料の「発生タイミング」はいつか?
結婚相談所によって定義や基準はやや異なりますが、概ね以下のタイミングが一般的です。
◆ 標準的な成婚料発生のタイミング
「真剣交際を経て、両者の結婚意思が確認された時点」=成婚成立 → 退会 → 成婚料発生
◆ 実際には次のような場面で成婚とみなされます:
- 双方が「結婚を前提とした交際を続ける」と合意し、相談所を同時に退会するとき
- 男性がプロポーズし、女性が了承して結婚の意志を確認したとき
- 相談所側が「この関係は成婚相当」と判断し、カウンセラー間で合意したとき
成婚=婚姻届ではない点に注意
● 成婚料は入籍や結納の有無に関係なく発生します
つまり、「まだ婚約していない」「同棲予定」でも、両者が結婚を前提に退会する意思を示せば成婚扱いとなるのが一般的です。
成婚料の請求・支払い時期
相談所によって請求のタイミングは異なりますが、以下が主流です:
タイミング | 説明 |
---|---|
成婚退会手続き時 | 退会届の提出と同時に請求される |
成婚退会の翌月 | 退会月の翌月末までに銀行振込などで支払う |
成婚面談後 | 双方の最終意思確認の面談後に発生(カウンセラーが判断) |
いずれにせよ、「退会時または直後に一括で支払う」のが一般的です。
成婚料の金額相場
相談所タイプ | 金額相場(目安) |
---|---|
大手仲人型相談所 | 10万円〜20万円程度 |
地方型・個人経営型 | 5万円〜10万円程度 |
ハイクラス相談所 | 20万円〜30万円以上の例もあり |
成婚扱いとなるケースと注意点
● 「相談所を通さない交際」がバレた場合でも成婚扱いになることがある
- 仮交際中に相談所の介在なしで進展し、外部で結婚を決めた場合
- 相談所に報告せず退会し、後から関係が明るみに出た場合
契約違反とされ、成婚料請求の対象になることもある
● 「自然消滅で成婚料逃れ」はできない
- 真剣交際の意思を示し、両者退会の合意があれば成婚扱い
- 成婚後に破談しても、成婚料の返金対象にはならない
成婚料の支払いをめぐるトラブルを防ぐには?
【契約前に以下を明確に確認しておきましょう】
- 成婚料はいつ、どの段階で発生するか?
- 成婚の定義は具体的にどうなっているか?
- 成婚料の金額と支払い方法(現金・振込・分割の可否など)
- 成婚後に破談した場合の返金規定はあるか?
よくある誤解とその真実
誤解 | 実際のところ |
---|---|
成婚料は入籍後に払うもの | ×:入籍前の「結婚合意・退会時点」で請求される |
プロポーズしていないから成婚ではない | ×:結婚の意志が確認されれば成婚扱いになる |
真剣交際中の退会だから成婚料は発生しない | △:相談所によっては成婚扱いになる場合がある |