結婚相談所では、基本的に提出された証明書をもとにプロフィールが作成されるため、虚偽情報は起きにくいとされています。
しかし一部では、「軽微な詐称」や「曖昧な表現」によって、事実と異なる印象を与えてしまうケースもあります。
結婚という大きな決断に影響を与える可能性があるため、“プロフィール詐称”を見抜く目を持つことが大切です。
1. プロフィール詐称とは何か?
プロフィール詐称とは、実際の内容と異なる情報を記載していることを指します。悪意があって意図的に偽るケースと、本人の認識違いや曖昧な記載によるケースの両方があります。
- 年収を実際より高く記載
- 学歴・職歴を誇張
- 年齢を1歳以上サバ読む
- 離婚歴や子どもの有無をあいまいに記載
- 趣味や性格を実際以上に魅力的に演出
2. 結婚相談所の仕組みで防げる詐称と防げない詐称
証明書の提出が必要な項目(比較的安全):
- 年齢(身分証明書)
- 学歴(卒業証明書)
- 年収(源泉徴収票や収入証明)
- 独身証明書
証明が難しい主観的な項目(注意が必要):
- 性格や価値観
- 生活習慣・家事能力
- 恋愛・結婚に対する本気度
- 写真の印象(加工や古い写真の場合も)
【プロフィール詐称を見抜くポイント】
(1)言動に一貫性があるか確認する
(2)写真と実際の印象に差がないか
(3)質問に対してあいまいな返答が続く
(4)急に交際を迫る・結婚を急かす
4. 信頼できる相談所を選ぶことが最大の予防策
プロフィール詐称のリスクを避けるには、証明書提出が義務化されている相談所や、カウンセラーの介在がしっかりある相談所を選ぶことが大切です
- 公的証明書の提出を徹底しているか
- カウンセラーが実際に面談しているか
- 苦情・トラブル対応の体制が整っているか
(1)言動に一貫性があるか確認する
「プロフィールでは魅力的に感じたのに、実際に話してみると何か違和感がある」。これはプロフィール詐称や誤魔化しのサインかもしれません。
婚活でのやりとりは短期間で進むことが多いため、相手の言葉と行動が一致しているかを確認することが信頼の第一歩です。
1. プロフィール内容と会話内容が一致しているか
- 年収や職業について、具体的に語れるか
→「営業」と書いてあるのに、仕事内容を聞いたら曖昧な回答になる場合など - 家族構成や学歴の話が自然に出てくるか
→プロフィールに書かれている情報と照らし合わせて確認
【注意点】
- まったく話題に触れようとしない場合は、避けている可能性あり
- 回答を濁すような言い回し(例:「いろいろあって…」「ちょっと事情が…」)が多い時は警戒を
2. 時間が経っても話の内容が変わらないか
一度聞いた話と、別の日に聞いた話が食い違う場合、虚偽の説明をしている可能性があります。
チェック方法:
- 数回のやり取りの中で、同じ話題についてさりげなく再確認してみる
- 会話の流れを記録しておくと、違和感を感じた時に整理しやすい
3. 態度や行動がプロフィールの印象と一致するか
プロフィールには「明るい性格」「誠実で真面目」と書いてあっても、実際の態度が冷たかったり、自分本位だったりすると、印象と実像にギャップがあることになります。
見抜き方:
- 話をきちんと聞いてくれるか
- 感謝や配慮の言葉が自然に出るか
- 「写真だけ笑顔」「実際は無表情で会話が短い」などのギャップに注意
4. 無理に取り繕っていないかを感じ取る
話がスムーズすぎる、完璧すぎると感じる場合は、用意された「理想の自分」を演じている可能性もあります。
- 趣味・価値観がすべて自分とぴったり合いすぎる
- 褒め言葉や将来の話ばかりで、実生活の話が少ない
- 話の深掘りを避けたがる(自分の考えを語らず「あなたに合わせたい」と言う)
(2)写真と実際の印象に差がないか
婚活プロフィールの中でも「写真」は最も目を引く情報であり、第一印象を大きく左右します。
しかし、写真と実際に会った時の印象が大きく異なる場合、過度な加工や古い写真の使用などにより、事実と違うイメージが伝えられている可能性があります。
写真詐称を見抜くためには、事前準備と観察力が重要です。
1. 写真と実物で極端な違和感がある例
- 実際に会ったら年齢感が大きく違う(10年前の写真を使用)
- 肌質・顔立ち・輪郭が違う(過度な加工アプリ使用)
- 写真では笑顔で爽やかだったが、実際は無表情で暗い印象
- 写真ではスリムだが、実際は体型に大きな差がある
2. 違和感を感じたときの確認ポイント
会った際に注目したい点:
- 表情が自然かどうか(写真が笑顔でも、本人が常に無表情だと違和感あり)
- 服装や雰囲気が写真と一致しているか
- 写真はスーツ姿でも、実際はカジュアルすぎる格好などでギャップが大きい場合
対策としてできること:
- 事前に複数の写真を見せてもらえるか相談する
- オンラインお見合いで事前に話す機会を設ける(実物との確認に有効)
3. 加工・演出された写真を見抜くコツ
写真の印象がよすぎる場合、意図的な演出がある可能性があります。以下の点に注意して見てみましょう。
見抜くヒント:
- 背景が極端にぼやけている(加工アプリの使用率が高い)
- 目が不自然に大きい、輪郭がシャープすぎる
- 明るさ・美肌加工が極端で、現実味がない
- まるでモデルのようなポーズや構図(撮影スタジオの過剰演出)
4. 写真と実物の違いがあっても、すぐに断定しない
多少の印象の違いは、「緊張」や「写真写りの差」によることもあります。写真と現実が違うからといって、すぐに相手を疑うのではなく、会話や態度で誠実さを確認することが大切です。
柔軟な対応
- 「少し雰囲気が違うけれど、会話してみて安心できる人かどうか」に注目
- 写真を理由に即断せず、人柄を確認する余裕を持つ
(3)質問に対してあいまいな返答が続く
結婚相談所での出会いは、短期間で信頼関係を築く必要があります。その中で、何を聞いてもあいまいな返答しか返ってこない場合は、注意信号です。
相手が何かを隠している可能性や、プロフィール内容と実態が異なるリスクもあります。ここでは、「あいまいな返答」が示すサインと見抜くためのポイントを解説します。
1. 「あいまいな返答」とはどういうものか?
- 「詳しくはまた今度話すね」
- 「まぁ、いろいろあって…」
- 「ちょっと複雑なんだけど、話すと長くなるから」
- 「前のことだから、もう気にしてない」
このような返答が繰り返されると、具体的な事実や状況を意図的に隠している可能性があります。
2. あいまいな返答が多いときの主なテーマ
【特に注意が必要な質問のテーマ】
- 離婚歴・子どもの有無について
- 年収や職業の詳細
- 家族構成や実家との関係
- 過去の交際歴・結婚願望の有無
- 住居や今後のライフプランに関する話
これらは結婚に大きく関わるテーマのため、誠実な相手なら必ず具体的に説明しようとする部分です。
3. あいまいな返答が続いた時の対応法
(1)自然な流れで再度聞いてみる
あからさまに疑うのではなく、やわらかい言葉で再確認してみましょう。
- 「前に少し話してたお仕事のこと、もう少し詳しく教えてもらえる?」
- 「もし大変なことがあったなら、無理に話さなくても大丈夫。でも気になるので…」
(2)一度はスルーして、他の話題で検証する
無理に深追いせず、他の話題との一貫性を見て判断するのも一つの方法です。
たとえば、収入の話をぼかした相手が「週末は毎週ゴルフ」と言うと、生活感と一致しないといった違和感が浮かびます。
【あいまいな返答の理由を見極める】
必ずしも「嘘をついている」わけではなく、過去の傷やトラウマから話したくないケースもあります。誠実な人であれば、「今は言えないけど、信頼してくれたら話す」といった説明があるはずです。
- 一度は答えを避けても、信頼関係ができると話そうとするか
- 他の話題には自然に答えているか
- あいまいな返答が特定のテーマだけに集中していないか
(4)急に交際を迫る・結婚を急かす
結婚相談所では、真剣な出会いが前提のため、交際や結婚の話が早い段階で出てくることはあります。
しかし、異常なほど急いで距離を詰めてくる相手には注意が必要です。それは、相手に不安を感じさせないように早く関係を固めたい、もしくは何かを隠したいという可能性があるからです。
1. どういう行動が「急かしている」ことになるか?
- 初回のお見合いや面談で「次はもう真剣交際に進みませんか?」と言う
- 数回しか会っていないのに「両親に紹介したい」と言ってくる
- お互いの理解が浅い段階で「結婚を前提に付き合ってほしい」と断言
- こちらの気持ちを確認せず「もう結婚する気でいる」と決めつける
このような態度が見られる場合、「プロフィールや過去の経歴に何か隠したいことがある」もしくは「相手をじっくり見る気がない」という可能性があります。
2. 急かす理由にはどんな背景がある?
【要注意な可能性】
- プロフィール詐称のリスク:嘘がバレる前に交際・結婚を早めたい
- 精神的依存傾向:相手に依存しやすく、距離を取るのが苦手な性格
- 経済的な事情や家庭環境:結婚を急いで解決したい事情がある可能性も
急展開で結婚を決めた場合、後から「こんな人だったのか」と問題が発覚することもあります。
3. 見極めのポイントと対処法
(1)あなたの気持ちを尊重してくれているか?
誠実な相手であれば、「自分が進みたいペース」だけでなく、「あなたの気持ちやタイミング」を丁寧に聞こうとします。
チェックすべき言動
- 焦らせるような言葉(「早く返事が欲しい」「他の人と比べたくない」)を繰り返す
- こちらの不安や質問に誠実に答えず、とにかく交際を進めようとする
(2)交際を急ぐ理由を明確に聞いてみる
「どうしてそんなに早く交際(結婚)を希望するのか?」をやわらかく尋ねてみましょう。納得できる理由があるか、答えが曖昧ではないかを判断材料にします。
(3)カウンセラーに相談する
結婚相談所では、担当カウンセラーが中立的な立場でアドバイスをくれます。「急に真剣交際を迫られて戸惑っている」と伝えれば、相手の過去の対応や、プロフィールの整合性も含めて客観的な意見がもらえます。
【「スピード婚」は悪いことではないが、慎重さは必要】
もちろん、出会ってすぐに結婚を決めて幸せになるカップルも存在します。ただしそれは「お互いをよく理解した上で合意が取れている場合」に限られます。
<無理にペースを合わせないことが大切>
- 不安や違和感を無視して進めると、後悔のもとに
- 自分の直感と冷静な判断、両方を大切にする