結婚相談所での活動が長引くと、よく耳にするのが「理想を下げたほうがいいかもしれない」という言葉です。
最初は「年収〇万円以上」「同じ趣味」「身長〇cm以上」など具体的な条件があったはずが、時間が経つにつれて「そんな人いないのかも…」と感じてしまうことがあります。
では、本当に理想を下げれば幸せになれるのでしょうか?ここでは、「妥協」と「納得」の違いを整理しながら、後悔のない選択をするための考え方をお伝えします。
「妥協」と「納得」の違いとは?
まず最も重要なのは、理想を下げる=すべて妥協ではない、ということです。
- 不満を抱えたまま「我慢して受け入れる」こと
- 相手に対する違和感や不信感を無理に飲み込むこと
- 結婚後に「やっぱり合わなかった」と後悔しやすい
- 自分の価値観や優先順位を見直したうえで「これは必要ない」と判断すること
- 現実を見据えつつ、気持ちの整理がついている状態
- 長期的に見て「一緒にいて幸せ」と思える関係を重視する考え方
理想を見直すべきタイミングとは?
以下のような状況にある場合、「見直し」を検討する価値があります。
- 高すぎる条件がネックとなり、マッチングの数が極端に少ない
- 条件に合う相手とは出会えるが、交際がうまく続かない
- 条件よりも「会話が合う」「安心できる」相手に惹かれる傾向がある
見直す際のチェックポイント
■ 必要な条件とそうでない条件を分ける
- 譲れない条件(価値観・家族観・生活スタイルなど)
- こだわっていたけど実は必要なかった条件(学歴・年収・見た目など)
年収よりも「金銭感覚が近いか」が重要だった、と気づく人も多くいます。
■ 「理想像」ではなく「一緒にいて楽な相手」を基準にする
- 条件が完璧でも一緒にいて疲れる人よりも
- 条件が少し外れていても「安心できる人」を大切にする
実際に「理想を見直して幸せになった人」の傾向
- 年齢差や年収にこだわらず、心の余裕や相性を重視した結果、穏やかな関係を築けた
- 外見よりも性格の一致に価値を感じ、結婚後の生活が安定している
- 共通の趣味や会話のテンポが合うことを最優先し、交際から自然に成婚へ
【理想を手放すのではなく、「本当の幸せ」を掴む】
理想を見直すというのは、「あきらめること」ではありません。それは、自分が本当に求めているものに気づく内面の整理です。条件に縛られずに人と向き合ったときにこそ、意外な“ご縁”が見えてくることもあります。
目次
マッチングの数が極端に少ない
結婚相談所では、自分の希望条件に合致する相手を紹介してもらえるシステムが整っています。
しかし、条件が厳しすぎると該当者がほとんどいない、または全くいないという現象が起こります。
これは決して相談所側の努力不足ではなく、「統計上、現実にその条件を満たす人が少ない」ために起こる問題です。
以下のような複数の条件を同時に求めると、該当者が極端に少なくなります:
- 年齢:自分より10歳以上若い、もしくは同年代以下限定
- 年収:600万~800万円以上(※特に20〜30代ではかなり希少)
- 学歴:大卒以上かつ有名大学限定
- 身長:175cm以上
- 地域:自宅から〇〇km以内(全国対応不可)
- 婚姻歴:初婚のみ
- 見た目:芸能人のような容姿、太っていない、清潔感必須
これらを「すべて満たす人がいい」としてしまうと、マッチング可能な会員は1%未満になることも珍しくありません。
なぜこのような状況になるのか?
■ 会員層とのギャップ
結婚相談所に登録している人の多くは、「結婚したいけれど自然な出会いがなかった人」です。つまり、条件は良くても控えめで現実志向の方が多い傾向にあります。
理想が高すぎると、そもそもその条件を満たす相手がいない、またはいても競争が激しくマッチングしづらくなります。
■ 相手から選ばれにくくなる
希望条件を出すのは自由ですが、その条件を満たす人からも「選ばれる存在」でなければ、マッチングは成立しません。
つまり、
- 自分が希望している条件の人から見て「魅力的な相手か」
- 条件を絞ることで「相手から見て付き合いたいと思われる存在か」
という視点も必要になります。
【実際に起こる問題】
- 月に紹介される人数が1人~2人以下に激減
- 申し込みをしても返事が来ない、断られることが多くなる
- 自信を失い、婚活自体が嫌になる
- 「誰もいないならやめようかな」と途中退会を考え始める
【解決策:条件の見直しと柔軟な視点】
- 絶対条件(例:価値観、喫煙NG、子どもが欲しい)と希望条件を分ける
- 年収や見た目ではなく「性格」や「会話のフィーリング」に重きを置く
- 「合う人を見つける」ではなく「合っていく努力をする」方向へ考え方をシフト
交際がうまく続かない
結婚相談所で活動していると、「希望通りの条件を満たした人とマッチングできたのに、交際が続かない」「スペックは理想なのに、何かが合わない」と感じるケースは少なくありません。
これは、条件重視で選んだ結果、「人としての相性」が見えにくくなるために起きる問題です。
条件に合う相手と出会っても、交際が続かない理由
■ スペックに満足しても、心の満足が得られない
- 「年収も学歴も理想通り。でも会話がかみ合わない」
- 「外見は好みだけど、一緒にいて気を使いすぎる」
- 「自分の話にあまり興味を持ってくれない」
こうした違和感は、条件だけでは見えない価値観や性格のズレによって生まれます。
■ 条件重視の選び方が「本音の自分」を見失わせる
理想条件に当てはまる人に出会えたという喜びから、「ここでうまくいかせなければ」と無理に関係を続けようとすることもあります。しかし、相性が伴わない交際は、次第にストレスや疲労感を引き起こします。
■ 相手側も「条件で選ばれた」と感じている可能性
自分が相手に対して「条件が良いから会ってみよう」と思っているように、相手もその温度感を察してしまうことがあります。その結果、信頼関係や安心感が築きにくくなり、感情が育たないまま交際が終了することも。
- 「3回目のデートで話が続かず、盛り上がらない」
- 「LINEの返信が事務的で、気持ちが通じ合わない」
- 「一緒に過ごす時間が楽しくなく、次第に会うのが億劫に」
- 「条件は良いが、性格に対して不信感が拭えず交際終了」
【解決策:「条件」から「感覚」へ重視するポイントを変える】
■ 会話のテンポ、沈黙の居心地、笑いのツボを観察する
- 一緒にいて自然体でいられるか
- 話していて楽しいか、無理していないか
■ 自分らしくいられるかが大事
- 相手に合わせようとしすぎて「本来の自分」が出せない場合、その交際は長続きしません
- 無理に理想像を演じるのではなく、素の自分でいられる相手かを見極める
■ 担当カウンセラーに正直に相談する
- 「相手に条件面で不満はないが、感情が動かない」と率直に伝えることで、次回以降の紹介に反映してもらえる
【条件に合う相手≠幸せな結婚相手】
条件を満たしていても、心が動かなければ結婚後の生活に充実感は得られません。理想的なスペックよりも、「一緒にいるとホッとする」「笑い合える」人を選ぶことが、長い人生をともに歩むパートナー選びの本質です。
条件よりも別の理由で相手に惹かれる傾向がある
婚活を続ける中で、多くの人がある瞬間に気づきます。それは、「条件よりも、一緒にいて気を使わない人のほうが心地よい」という感覚です。
特に、実際に何人かとお見合いや交際を経験した人ほど、数値化できない“感覚的な相性”の大切さに気づく傾向があります。
なぜ「会話が合う」「安心できる」人に惹かれるのか?
■ 結婚生活は日常の積み重ねだから
結婚は、イベントや旅行だけでなく、日常生活が中心になります。毎日をともに過ごす相手だからこそ、
- 会話が自然にできる
- 沈黙が気まずくない
- 緊張せずに自分らしくいられる
という関係性が、精神的な安定と幸福感につながるのです。
■ 条件では測れない「人間的な魅力」を感じる
年収や学歴、身長などは確かに分かりやすい指標ですが、「一緒に笑える」「話が噛み合う」「共感し合える」ことは数字で表せません。しかし、それこそが信頼関係を築くうえでの土台になります。
具体的に惹かれる瞬間とは?
- 「この人とは話が尽きない」と感じたとき
- 「同じことで笑える」「価値観が近い」と気づいたとき
- 「気取らずに話せる」「変な沈黙がない」など自然体でいられるとき
- 「無理して話題を探さなくても会話が続く」ことに安心感を覚えたとき
こうした相手と過ごす時間は、“理屈”ではなく“感覚”で「居心地がいい」と感じるものです。
【「会話が合う」「安心できる」関係のメリット】
- ケンカをしても話し合いで解決できる
- 価値観のズレに気づきやすく、すり合わせがしやすい
- 疲れているときや落ち込んでいるときでも一緒にいられる
- 感情の共有がしやすく、愛情が深まりやすい
【条件よりも感覚を大切にする婚活のすすめ】
理想の条件にこだわるあまり、せっかく「心が通じる人」との出会いを見逃してしまうケースもあります。
条件をすべて捨てる必要はありませんが、「この人となら、穏やかで落ち着いた家庭が築けそう」と感じる感覚を重視することが、結果的に幸せな結婚につながることが多いのです。