結婚相談所での出会いは、「恋愛より結婚を重視する」スタイルが基本です。そのため、いわゆる“ドキドキする恋”とは異なる感覚から始まるケースが多く、恋愛感情が最初から自然に湧くとは限りません。
だからこそ、「ときめかない」「好きになれないかも」と感じるのは決して珍しいことではなく、誰もが一度は悩むポイントです。
【原因分析】なぜ恋愛感情が湧かないと感じるのか?
■ パターン1:会話や雰囲気が盛り上がらない
→「人としてはいい人だけど、ときめきがない」「話が弾まない」
■ パターン2:条件で選びすぎて感情がついてこない
→「年収や職業は理想通りなのに、なぜか気持ちが動かない」
■ パターン3:恋愛経験が少なく、感情の動き方が分からない
→「自分の“好き”って何だったっけ?」と混乱することも
■ パターン4:時間をかける前に“答え”を急ぎすぎている
→「数回会ってもピンとこないから合わないのかも…」と早めに判断してしまう
【対処法】恋愛感情が湧かないときに試してほしい5つのアプローチ
① 恋愛感情=一目惚れ型だけとは限らないと知る
② 3回以上会ってから判断する
③ 恋愛ではなく「信頼」や「安心」に目を向ける
④ 「ときめき以外の自分の感情」に注目してみる
⑤ カウンセラーに率直に相談する
【補足】恋愛感情が湧かない=断るべき、とは限らない
状況 | 判断の目安 |
---|---|
苦手意識がある/一緒にいて疲れる | → 合わない可能性が高い:早めに終了してOK |
不快ではないが、感情が動かない | → 継続してみる価値あり:相手の良さが時間とともに見える場合あり |
楽しい気持ちはあるが恋ではない気がする | → そのまま交際を続けながら、気持ちの変化を観察 |
目次
① 恋愛感情=一目惚れ型だけとは限らないと知る
「ドキドキ」しないからといって、恋愛が始まらないわけではない。婚活中に「いい人だけど…ときめかない」「ドキドキしないから恋愛対象じゃないかも」と感じた経験はありませんか?
これは、“恋愛=一目惚れや運命的な出会い”というイメージにとらわれていることが原因かもしれません。
■ 一目惚れ型の恋愛感情とは?
- 相手を見た瞬間に「この人だ!」と感じる
- 一気にテンションが上がる
- 強烈なときめき、ワクワク感、憧れが先行する
ドラマや映画などでは多く描かれていますが、実生活では必ずしも一般的な恋愛パターンではありません。
■ 現実には「じわじわ型」の恋愛も多い
実際の結婚相談所や長続きするカップルに多いのが、“時間をかけて気持ちが育っていくタイプの恋愛”です。
◆ じわじわ型恋愛の特徴
- 初対面で特別な感情は湧かない(むしろ「普通」)
- 一緒に過ごすうちに「この人、居心地いいな」と感じる
- 特別な出来事があるわけではなく、日常の積み重ねで好意が育つ
このタイプの恋愛は、「恋愛感情=ときめき」ではなく、「信頼」「安心」「尊重」から始まります。
■ 結婚につながる恋愛は、刺激よりも「安定」が土台になる
結婚生活では、以下のような要素のほうが長続きのカギとなります。
- 緊張しない、自然体でいられる
- 自分の話を受け止めてくれる
- 楽しいだけでなく、落ち着きがある
- 無理に会話を盛り上げなくても大丈夫な関係性
これらは、一目惚れ型では気づきにくい“穏やかな相性”です。最初にときめかなくても、そうした土台ができれば、恋愛感情はあとから静かに芽生えることもあります。
■ 「一目惚れ型」でない恋愛が“遅れてやってくる”ケース
実際の結婚相談所でよくあるのが、「最初は気乗りしなかったけど、断らずに数回会っているうちに自然と好意が芽生えた」という声です。
「正直、最初はピンとこなかった。でも話しやすくて、何となくまた会いたいと思った」
「断る理由がないからもう1回…と思ってたら、いつの間にか楽しみになってた」
「好きっていつの間にかできるんだなと気づいた」
恋愛感情は“条件が揃った瞬間”に生まれるものではなく、経験と信頼を通じて育つものです。
② 3回以上会ってから判断する
「ピンとこない」は1〜2回では当然。“縁”は時間と共に見えてくる。
結婚相談所で出会った相手と会ってみて、「悪くはないけど、ときめかない」「決め手がない」そんな感想を持ったまま、1〜2回で交際終了を判断してしまう方はとても多いです。
しかし、本当の相性や感情の芽生えは、3回以上会ってから見えてくることが多いというのが、現場での共通見解です。
■ なぜ「3回以上会う」ことで見えてくるものがあるのか?
理由①:初対面は「緊張」と「表面」で終わりがち
- お互いに探り合い、会話も硬くなる
- 本音や自然体の部分はなかなか出てこない
- 相手の“人柄”が分かる前に判断すると、もったいない誤解が起こりやすい
理由②:安心感・共通点・心地よさは“徐々に”気づくもの
- 本当の居心地の良さは「慣れ」と「安定」の中でこそわかる
- 「話しやすくなってきた」「沈黙でも気まずくないかも」など、安心感が生まれるのは3回目以降が多い
理由③:「恋愛感情がない=脈ナシ」ではない
- 特に結婚相談所では、「ときめき」より「尊重・会話・誠実さ」を重視する人が多い
- 恋愛経験が少ない人ほど、「好き」という感情の動きに時間がかかる
■ 実際によくある変化の例
1回目 | 2回目 | 3回目以降 |
---|---|---|
緊張して会話がぎこちない | 多少会話が続くようになる | 自然体で話せるようになり、心地よさを実感 |
どこを見ればいいかわからない | 表情や話し方に親しみが湧く | 「また会いたい」が自発的に湧いてくる |
恋愛感情ゼロ | 感情に変化はないが、違和感もない | 安心できる存在と認識し始める |
多くのカップルが「3回目で印象が変わった」と答えているのは、このプロセスの中に理由があります。
【「3回目まで会ってみる」の具体的な活用法】
● 初回・2回目は“判断”ではなく“観察”と割り切る
- 自分に問いかけてみる質問例:
「また話してみてもいいかな?」
「不快な感じはなかったか?」
「もう少し相手を知ってからでも遅くないか?」
● 3回目までは「深いテーマ」より「自然な会話」を意識
- 無理に将来の話を詰めず、軽めの話題を通して相手の人柄に触れる
- 例:「休日は何してますか?」「最近見た映画」など、リラックス系の話題が効果的
● 「3回会ってみたらどう感じるか?」を前提に会う
- “判断のタイミングを先延ばしする”ことで、自分の心の動きに余白が生まれる
- 直感的な「合わない」ではなく、「相性を見極める観察期間」と捉える
【注意点:「3回会えばうまくいく」と誤解しないこと】
- 相手が明らかに自己中心的、不誠実、違和感が強い場合は無理に続ける必要なし
- 「恋愛感情はないけど、嫌なところもない」という相手にこそ、3回会ってから判断する価値がある
③ 恋愛ではなく「信頼」や「安心」に目を向ける
結婚相談所での婚活では、多くの人が「ときめきがない」「恋愛感情が湧かない」と感じて悩みます。
ですが、結婚に必要なのは“恋心”よりも“信頼関係”と“安心できる関係性”です。
むしろ、恋愛感情だけに頼った結婚は、結婚後にギャップを感じやすいという声も少なくありません。
■ なぜ“恋愛”より“信頼・安心”が大切なのか?
1. 結婚生活は「日常の積み重ね」でできているから
- 毎日を共に過ごすうえで大切なのは、刺激よりも安定したコミュニケーションと空気感
- 「何気ない会話が続く」「無理せず素を出せる」関係が、長く心地よく続く土台になる
2. 恋愛感情は変化するが、信頼は積み重ねで深まる
- 恋心は時とともに落ち着いていくもの
- 一方で、「この人なら大丈夫」「自分を受け入れてくれる」という安心感は時間と経験の中で強くなっていく
3. 不安を感じずにいられる相手こそが、“本当の相性”かもしれない
- 無理に盛り上げなくても気まずくない
- 自分の意見や考えを伝えやすい
- 「変に気を遣わなくてもいい」と感じる
こうした感覚は、ときめきとは違う「心の信頼」がある証拠です。
■ 安心・信頼がある相手を見極める5つの視点
視点 | 見極めポイント |
---|---|
① 会話のテンポ | 無理なく話せる/沈黙が気まずくない |
② 話の聴き方 | 最後まで話を聞いてくれる/否定しない |
③ 感情の出し方 | 嬉しい・不安・怒りを落ち着いて伝えられる雰囲気 |
④ 自分らしさ | 背伸びせず自然体でいられる/いいところも弱みも出せる |
⑤ 対応の誠実さ | メッセージの返し方や時間の使い方に誠意がある |
「嫌な違和感」がない場合、信頼や安心感を感じやすい相手である可能性が高いです。
■ 実際の婚活経験者の声(一例)
「最初はドキドキはしなかったけど、会うたびに安心感が強くなって、信頼できる人だと思えました」
「“好き”という感情がはっきり分からなかったけど、“この人なら大丈夫”という直感がありました」
「ときめきより、連絡が自然に取り合える感じが心地よかったです」
共通するのは、「心を許せる安心感=続けられる関係のカギ」という実感です。
■ とはいえ「安心=妥協」ではない
- 「恋愛感情がないけど、まあいいか」で決めてしまうのは別問題
- ポイントは、「この人と一緒にいてラクか?」「不快な違和感がないか?」を冷静に見極めること
無理に“ドキドキ”を追い求める必要はありませんが、“違和感”も見逃してはいけません。
④ 「ときめき以外の自分の感情」に注目してみる
婚活で出会った相手に対して、「ドキドキしない」「好きかどうかわからない」という悩みを持つ人はとても多くいます。
しかし、恋愛感情とはそもそも、ときめき(高揚感)だけで構成されるものではありません。
「恋ではないけど、なぜか気になる」「また会ってもいいと思う」。こうした“恋愛の入口になる感情”は、案外ささやかな気持ちの中に隠れています。
■ なぜ「ときめきだけ」に頼らない方がいいのか?
理由①:ときめきは一時的で、判断を誤ることもある
- 見た目や雰囲気に惹かれても、中身と合わないことは多い
- 「ときめき=相性」ではない
理由②:結婚相談所の出会いは“条件ありき”になりやすい
- 条件でマッチする相手に対して、「感情が動かない」と感じやすいのは当然
- 逆に、“ちょっとした気持ちの動き”を無視してしまいやすい
■ 注目したい「ときめき以外の感情」とは?
以下のような感情が少しでも湧いたなら、それは立派な“好意の種”です。
感情 | 解説 |
---|---|
また話してみたい | 興味や関心が芽生えつつある証拠。理由がなくてもOK。 |
断る理由がない | 「嫌ではない=心が受け入れている」状態。これも大切な感情。 |
一緒にいてラクだった | 安心感が生まれている証拠。恋愛の土台となる要素。 |
この人、悪くないかも | 第一印象より“プラス評価”にシフトしている段階。 |
自分のことをちゃんと見てくれてる気がする | 誠実な相手への信頼の芽生え。恋に変わる可能性大。 |
最初から「ビビッときた!」という感情だけに注目していると、こうした静かな好意を見逃してしまうことがあります。
■ 小さな感情に気づくコツ:質問リスト
自分の感情を見つけやすくするために、次のような問いかけをしてみてください。
- 「この人といて、どんな気持ちだった?」
- 「会話しているとき、時間が長く感じた? 短く感じた?」
- 「またこの人と会うのが面倒だと感じた?」
- 「気を遣って疲れた? それとも自然に過ごせた?」
- 「次も会ってみてもいいかな? と思える何かがあった?」
こうした問いを自分に投げかけることで、“感情のグラデーション”に気づく感度が上がります。
■ ときめきは「安心の上」に咲くこともある
最初は無風だった関係が、次第に感情を育てるケースも非常に多くあります。
「最初は印象が薄かった。でも会うたびに楽しみになってきた」
「“好き”って気づいたときには、もう安心感のある関係になっていた」
「急に恋に落ちるよりも、信頼から気持ちが芽生えた方が本物だと思えた」
恋愛感情は、感情が安心して動ける土台ができたあとに芽生えることが多いのです。
⑤ カウンセラーに率直に相談する
結婚相談所で活動していると、多くの人が必ず直面するのが、
「気持ちが動かないのはおかしいのか?」
「このまま続けるべきか、やめるべきか…」
「相手のどこが合わないのか自分でも分からない」
といった感情や判断に迷う瞬間です。そんな時にこそ、一人で悩まず、カウンセラーに率直に話すことが非常に有効です。
■ なぜ「率直な相談」が重要なのか?
1. 婚活の“プロ視点”で気持ちを整理してくれるから
- 自分では見落としているポイントに気づかせてくれる
- 「この感情は珍しいことではない」といった安心材料ももらえる
2. 悩みを言語化するだけで気持ちが軽くなる
- 頭の中でモヤモヤしていることを言葉にして整理するだけでも前進
- 相談した時点で、「続けてみよう」「やめよう」が自然と見えてくることもある
3. 本音を伝えるほど、相談所側も適切なサポートができる
- たとえば「ときめかない」と感じている場合も、
あなたの好みや価値観を踏まえて、より合う人を提案し直してくれることがある - “うまくいってない理由”を一緒に掘り下げて改善できる
■ 相談するときのコツ:「本音」を出して大丈夫
- 「この方と会っても気持ちが動かないのですが、よくあることですか?」
- 「自分に恋愛感情が湧きづらいのか、それとも相性が悪いのか分からなくて…」
- 「条件で選んだのに、しっくりこないのはなぜでしょうか?」
- 「断るべきか、続けるべきか悩んでいます」
カウンセラーは、そうした“答えの出ていない気持ち”を扱うことに慣れています。無理に結論を出さずとも、話す中で自然に方向性が見えてきます。
■ 相談のベストタイミング
タイミング | 相談の効果 |
---|---|
初対面後に違和感があるとき | 合わなかった理由を分析できる/次に活かせる |
2〜3回会っても気持ちが動かないとき | 自分にとっての“合う人像”を一緒に見直せる |
相手に悪いと思って断れないとき | 断り方を代行してくれる/罪悪感を整理できる |
迷いすぎて疲れてきたとき | 活動の見直し・休憩・再出発の提案が受けられる |
■ よくある誤解:「相談=弱音」ではない
- 婚活は“自己判断”だけで進めると、迷路に入りがち
- プロに相談することで、自分の考えを「客観視」できる機会になる
- 「相談は迷ってる証拠」ではなく、「前向きに進もうとしている姿勢」
本気で婚活している人ほど、本音を言える相手を持っていることが強みになります。